いつまで ページ10
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朝、教室に来ると
いつも遅刻してくる五条が
机に肘ついて外を眺めてる
珍しいこともあるもんだ
「はやいな」
「•••Aが一人暮らしするって」
「ふーん」
「ウケるよね?世間知らずがよく言うよ。誰にも守られずに、生きるらしいわー五条家のやつが何言ってんだか。ばっかじゃねーの?」
あいつのせいで一睡もできなかったわ
ってペラペラと話す五条
「しっかりしてんじゃん」
「•••しっかりしなくていいんだよ」
「でもAの言う通り、いつまでA守るつもり?」
「あいつも言ってたけど、なんだよそれ。別にいつまででも。ずっとだよ」
「死ぬまで?結婚するまで?」
は? って顔の五条は
やっと、私と目を合わす
「例えばだけど。Aが結婚したら?」
「結婚?」
「そしたら、その時はあんたの役目は終わりだ。Aを相手に託すんだから」
はあー?って椅子を立つ五条
例えばの話で結婚を出しただけなのに、うるせー
「まず、ババア達が許すわけねーじゃん」
あまりに必死なこいつは
それに結婚って、まだ18歳だからはえーよって
「学生結婚とかあるからなー」
「はあ?ないない、ありえねー」
「寂しいの?」
「は?」
「Aがいなくなりそうで、怖いんだ」
「ちげーよ、•••まじで」
「じゃ、妹離れでもしたらー?」
「妹離れ?」
「そ。」
あー•••意味わかんねーよ って
項垂れるあいつ
拗らせてんなーめんどくせー
「•••ずっとあいつのこと守ってきたのに、俺の人生大事にしろって。•••俺の人生にAがいねーこと今までないし」
「それが妹離れだよ」
「•••あいつがいたから、俺の人生意外といいものじゃんって思った。•••あの五条家が、あいつがいたから腐ってねーの」
どうしていいかわかんねーよ
机に伏せる五条は、独り言のように呟くと
ガラガラと教室のドアが開く音がする
「五条さんに任務のことで用がありましたが、•••出直します」
やばい空気を読み取って
教室を出る七海に
「お前、一人暮らしのこと知ってたの?Aと超仲良いもんねーー」
あからさまな八つ当たりをする、こいつ
バカだな
ガキ
否定も固定もしない七海に
ブチギレ寸前のあいつは
痺れを切らして
教室を出ていった
•••こりゃ、重症だな
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作者名:すうぷ | 作成日時:2023年9月11日 21時