シスコン ページ6
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「なんでいるんだよ」
『これ、悟に。みんなにバレたから私でもいいんじゃない?って』
意味わかんねーよ
連れて来んなよ、ここに
あぶねーじゃん
「あれ?Aじゃん」
『硝子さん!お久しぶりです』
「ねぇ、あんたの連絡先教えてよ」
ほらほら
早速めんどくせーことになってる
『もちろんです!ご飯に行きたいって悟に連絡したのに、無視するんです』
「あー、こいつさシスコンだからな」
おい、硝子
やめろよ
なんだよ、その笑み
「お前、なんで私服なわけ?」
『学校お休み。開校記念日』
はあ?
開校記念日ってなんだよ
「あんた、私服も可愛いー。女子高生って眩しいね」
ワンピースに
ポニーテールにリボンなんか付けて、目立つ
ただでさえ目立つのに、すげえ目立つじゃん
『じゃ、連絡先交換したから帰るね』
「•••誰と遊び行くんだよ」
『秘密〜。悟に言ったら、大変なことなるから』
また連絡します って
硝子に頭を下げて歩いて行くA
「男だな。あれは、男」
「あ?」
「ニットのワンピース姿なんて見たら、ホテル直行だな」
「は?」
「私が男だったら、そうするなーって思っただけ」
そんな言葉を最後まで聞くわけもなく
どんどん小さくなるAの姿を追いかけ
手を引っ張れば
すっげーびっくりした顔をしてる
『どうかした?』
「•••硝子が、今日飯行こうって」
『今日?』
「•••あいつ忙しいから、今日遊べなかったら一年後だって」
『一年後??!•••じゃ、こっちの予定キャンセルする』
「うん、そーしろそーしろ」
『やめてよ。髪の毛ぐしゃぐしゃなる』
わざと
この綺麗に作られてるポニーテールを崩すと
睨むように俺を見るけど
ぜーんぜん、怖くねー
『何笑ってるのよ』
「別にー。飯、この間行ったパスタ?」
『デザートのモンブランが美味しいところ?』
「うん。A好きだろ、あそこ」
『好き』
「じゃあ予約しとく。あと少しで終わるから車で待っとけよー」
『買い物して待っててもいい?』
「無理。あぶねーし。車で待っとけ」
はあーい って
納得してない声のAを五条家の車まで送る
これってシスコン?
いや、これはちげーよ
ただ、目の前にいる妹を
親切心で、送っただけだよな
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作者名:すうぷ | 作成日時:2023年9月11日 21時