俺の妹【五条悟】 (ページ36)

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ちょうどいいページ36

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久しぶりのご飯会は

日付変わる前にお開きになって

マンションまで送ってくれる、お兄ちゃん

こうやって2人きりになるのはあれ以来

会う前は少し緊張したけど

会ったら今まで通り

私たちはきっとこのくらいの距離感がちょうどいいんだ

片思いをやめて

傷つくこともないし

モヤモヤすることだってない

涙を流すことも

ナナミンと付き合ってからなくなった

隣に並ぶお兄ちゃんを

横目に見ながら、そんなことを考えてると

「就職祝い」

長方形の綺麗にラッピングされた箱を、私に渡すの

「たまたま、時間あって。たまたま百貨店行って。たまたま見かけたから」

ぶっきらぼうに

そんなこと言うお兄ちゃんがおかしくって

ありがとうって笑う私に

変な奴いたら、俺がぶっ飛ばすから

優しく私の頭を撫でるお兄ちゃん

なんだか恥ずかしくなっちゃって

お家帰ったら開けるねなんて言いながら

歩き出すわたしに

「•••七海と、付き合ったらしいな」

傑に聞いたってか

高専で軽く噂になってるって

『うわさ？』

「あの、七海に彼女が出来たって。卒業してからも、あいつ、根強いファンいるんだよ」

おめでとうって

前を歩きながらいうお兄ちゃん

『•••ありがとう』

「•••好きなやつはいいのかよ」

『•••うん。•••時間が解決してくれると思う』

「•••ふーん」

『•••お兄ちゃんは？』

「•••俺はまだしばらくは無理」

『•••そっか』

うん、きっとこのくらいの距離感がいいんだ

私たちは今まで近すぎたんだよ

心からとはいかないけど

うまくいってほしいってちゃんと思える

「なんなら、奪うつもりでいるから。俺は当分片思いかな」

『奪うって、人のものなの？』

「まあな。出遅れた」

『•••そっか』

ナナミンといれば

私は、きっと大丈夫

ナナミンの隣が正解なんだ

『うまくいったらいいね』

「俺さ、欲しいもん全て手に入れちゃうわけ」

『でたよ、天下の五条悟』

「見とけよ」

『はいはい』

夜空を見ながらゆっくり帰る、帰り道

無言だけど

なんだかすごく心地良い

「•••俺、満月が一番好きだわ。星とかわかんねーけど、満月は昔から好き」

『•••そっか。』

その日は

私が捨てられた日と同じ

綺麗な満月だった

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