俺の妹【五条悟】 (ページ23)

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ずっとページ23

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『覚えてるよ。モヤモヤしたし、ナナミンと連絡取る度に思い出したもん』

「それは、よかった」

『え？(笑)』

「少しでも私のことを思い出してくれたなら、こっちの思惑通りです。また素面の時に」

帰ってきてからのナナミンは

ナナミンじゃない

見た目どころか、中身まで全くの別人

•••経験値が違うのかな

ウイスキーを飲むナナミンは

どこか緊張した面持ちで私を見ていて

はて？なんて思いながら

サングリアを飲んだら

鞄でブーっとなる私の携帯

「出てください」

『ごめんね、』

ディスプレイを見れば

〝お兄ちゃん〟からの電話で一瞬で変な汗が出る

『もしもし？』

「お前今何してんの」

ガヤガヤしてて

お兄ちゃんの声が遠い

どっかいるのかな

『ナナミンとご飯食べてる』

「七海と？あー•••まじか、」

『なんかあった？』

「いや、またでいいや。•••学生なんだから早く帰れよ」

一方的にガチャっと切られて

意味わかんない電話

「五条さんですか？」

『あ、うん。けど意味わかんない電話。ごめんね』

携帯を鞄に直そうとすると

またもやブーと鳴る

今度はメールのお知らせ

【お前んち行こうと思って】

私が好きなケーキ屋さんの

モンブランの写真と一緒に、そんな一言

それだけが、胸がギュッと苦しくなった

ずっと前から好き

いつからなんて覚えてないくらい

悟のことが好き

兄妹になったあの日から

ずっと悟が私のこと守ってくれてた

捨て子って聞いた時

不思議と悲しくなかったのは

私の右手をずっと握ってくれてた悟がいたから

俺がお前のことずっと守るから

宣言通り悟は、私のことを

どんな小さなものからも守ってくれた

私のスーパーマンは、間違えなく悟

見えない私のことを

本当に大事にしてくれた五条家

悟が好きなんて、バレたらバチがあたっちゃう

想いが溢れ出さないうちに

自分の気持ちにそっと蓋をした

色んな人とお付き合いもしたし

悟のことをお兄ちゃんって呼ぶようにした

ただの妹でいる努力をした

これ以上悟が

私の人生に干渉すると

ぽろっと気持ちを伝えそうになるから

悟には自分の人生を歩んで欲しかった

もう少し待てる？

そんなメールを送る私は

やっぱりどこかで悟との幸せな未来を思い描いてしまう

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