全力で ページ21
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なげーーーよ、話
ちんたらちんたら何の話してんだかー
Aの帰国パーティとかいうからさ
朝イチから来てんのに
なげーんだよじいさんたち、話が
当の本人も
まだ到着してませーーんとかいうし
俺の緊張返せよ
はあーつまんねー
目の前のコーヒーに
砂糖を入れて、混ぜて、入れてーってしてると
襖が遠慮がちに開き
A様がお帰りになりました
そんな言葉と同時に
黒のワンピース姿のAと目が合う
お嬢様お帰りなさい!
また随分とお綺麗になって
やっと五条家に太陽が戻りました
そんな言葉をバックに
ヤッホーって
俺に微笑むA
うわあ
やば
意味分かんねーくらい、かわいい
まじ、やばいわ
なんだよ、ヤッホーって
可愛すぎだろ
当たり前のように
俺の隣に座るAは
久しぶりって
俺を見上げる
「•••おう」
『忙しいのにお休みとってもらってごめんね。ママがパーティとかいうから』
「•••気にすんな」
『元気してた?』
「ぼちぼち」
『どう?2年ぶりの妹は。寂しかった?(笑)』
どこかイタズラっぽく笑うAに
まあ、普通に寂しかった
まわりの音でかき消されそうな
小さな声で呟くと
あまりにも驚いた顔のA
「•••何だよその顔」
『•••素直だからびっくりしちゃった』
「•••うるせーよ。思ったこと口にしただけ」
『•••なんかあったの?怖いよ』
「•••なんもねーけど、お子ちゃまは卒業したの」
『•••へえーさすが五条家当主』
「•••うるせーよ。•••この2年で、美味しいケーキ屋アホみたいに増えたぞ」
『え!行きたい!』
「おう。今度のオフな、約束」
『うん、約束!』
喧嘩したままあっちに行ったA
連絡するタイミングを完全に失って
誕生日プレゼント何がいい?A以外な
そんなあいつらからの質問も
Aって本気で答えるくらい
冗談も通じなくなった俺
そんなつまんねー誕生日が終わる5分前に
ハッピーバースデー、お兄ちゃん
その一文だけでバカみたいに嬉しくて
これだけで一生、生きていける気がした
「俺、欲しいもんは全力で貰いに行くわ」
『え?』
「お前もさ、覚悟しといて」
俺の原動力は
間違いなくお前なんだよね
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作者名:すうぷ | 作成日時:2023年9月11日 21時