1番 ページ22
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「喧嘩したの?あいつウケるね」
『•••そもそも、なんで怒られたかもよく分かんない』
ベットに大の字になって
硝子ちゃんとの電話をスピーカーにする
あのまま
私の手を引っ張って
お家の前まで
いつも通り送ってくれた、五条くん
ありがとう、明日ねって
言葉を遮って
「•••クラス委員のやつ、俺もやる」
急にぽつり
そんなことを言い出すの
突拍子もない話で
びっくりしてる私に
そんなに傑と2人っきりがいいかよって
何故か喧嘩腰
『クラス委員なんてアホらしいって、言ってたのに?』
「お前もめんどいって言いながら、楽しんでるじゃねーかよ」
うわあ
なんなんだ、五条くん
めちゃくちゃ機嫌悪いじゃん
「そもそも、前からムカついてたんだよ。2人で高専の花壇手入れしたり、同窓会行ったり」
『•••こうせん?何の話?』
「お前らが好きな、シリーズものの映画。新作でたら、2人で見たり。俺の知らねー話してたり。俺もあの映画、1から見たんだよ!お前と2人で見に行くために!」
『•••だから、なんのこと?』
「2人にしか出せねぇ、空気感ってやつ?まじでムカつく」
『えええ。喧嘩売られてるのかな、私』
何の話か
全く見えないけど
目の前の五条くんは
すごく悲しそうな顔をしてて
ごめん って思わず謝った
「•••明日バイト終わったら、クレープ食いに行くぞ」
『へ?』
「嫌なのかよ」
『ううん、話の展開についていけなくて。もちろん、いいよ』
「で、次の日は買い物に付き合え」
『うん、』
やっぱりよく分かんないし
相変わらず、めちゃくちゃ不機嫌
「お前は明日から、俺との約束で忙しいから。傑にそう言っとけ」
『•••なんで、夏油くん?関係ある?』
「大アリだっつーの!ぜってー負けねぇんだから」
『•••なにに?』
「昔の傑にだよ!!!」
よく分かんないけど
じゃ、また明日なって
私の頭を撫でて帰った五条くんは
また私の方を振り向いて
早く中入れよ!危ないだろって
小言もバッチリ言って帰っていった
「私は、惚気を聞かされてんのか」
『まさか。あんな不機嫌な五条くん見たことないもん』
「拗らせてんなー五条。めんどくさ」
『明日も、怒ってるかな』
「五条が1番だよって言ってやれよ(笑)」
『む、むりだよ』
「本心なんだし、別にいいだろ。腹括れ」
応援してるぞって
笑う硝子ちゃんは
ここまで長かったなって
どこか、優しい声でそんなこと呟いた
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作者名:すうぷ | 作成日時:2024年2月26日 21時