第74夜 ページ35
もう夜は更けていた頃、わたしは意識を取り戻した。
「──ようやくお目覚めですか」
「……？」
目を開くとそこは知らない場所で、知らない人がそこに立っていた。
「まったく、マギは"ソロモンの指輪"を大事に扱ってくれないと」
「えっ？」
その言葉を聞いてわたしはハッとする。
今この人、"ソロモンの指輪"って言った…？
「そう警戒しないで戴きたい」
「…あなたは誰？」
わたしはそう聞くとその人は胸に手をあて、お辞儀をしてきた。
「私は"銀行屋"のマルッキオと申します。現在バルバッドの財政の顧問を請け負っております」
かといってそんな普通に自己紹介をされても困るなぁ…。
「あの、わたしはどうしてここにいるんですか？」
「それはですね、マギ、ジュダルが運んできてくれたのですよ」
「ジュダルが？」
ジュダルが運んだ？
いや、運んだもなにも、アイツがわたしのお腹を殴ったんじゃないか。
「ジュダルはどこにいるんですか？」
「今は生憎はずしておりましてね、ここにはいないんですよ」
そうなのか。
でも今はとりあえず戻らなきゃ。
シンドバッドさんのもとに、アリババくんのもとに、カシムのもとに。
「わたし、帰らなきゃいけないんで、帰ってもいいですか？」
さすがに帰してくれるだろうと思っていたわたしは、次の言葉は予想できなかった。
「いいえ、駄目ですよ。あなたはこれから私たちのもとに来てもらいますから、"ソロモンの指輪"よ」
「！？」
なんでこの人はそのことを知っているの──!?
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 356人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【マギ】*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:* 神強の_________マギ____________*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:* 【マギ】＝籠の中の猫＝
【マギ】愛しきソロモンの指輪 part３【トリップ】もっと見る
「トリップ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
舞 - とても面白いです。原作でもこのストーリーがあればいいのにと思うくらいです。続きが見たいので頑張って下さい(^O^) (2014年5月29日 12時) (
レス) id: c9be75eeff (このIDを非表示/違反報告)
遙コノハ(プロフ) - ゆづもさん» お疲れ様！！ (2013年3月2日 17時) (レス) id: 3bae9c9dcb (このIDを非表示/違反報告)
ゆづも(プロフ) - 遙コノハさん» おひさー！私もテストやらなんやらようやく終わったよー！ (2013年3月2日 16時) (携帯から) (レス) id: 3a6f61d3e7 (このIDを非表示/違反報告)
遙コノハ(プロフ) - お久しぶり・・・かな？テスト勉強やらで、なかなか来れなかったんだよ〜〜＞＜見ない間に話し進んでてビックリしたわ。 (2013年2月27日 14時) (レス) id: 3bae9c9dcb (このIDを非表示/違反報告)
ゆづも(プロフ) - ゆるさま。さん» ありがとうございます！これからもよかったら読んで下さい！ (2013年2月24日 18時) (携帯から) (レス) id: 3a6f61d3e7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆづも | 作成日時：2013年1月17日 18時
