二度目の初恋【増田俊樹】

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彩花「ねえ聞いてる？」

増田「あっごめん！なに？」

彩花「だから、そろそろお互いの両親に結婚の話しないかって！」

増田「結婚…？」

彩花「そうだよ！もうそろそろいいかなって思うんだけど？」

増田「あー…そう、だよな…」




突然の話になんと返すべきなのか分からず濁すと彼女の顔が険しくなっていき、まずいと思った時にはもう遅かった




彩花「なにその曖昧な返事…まさか7年も付き合ってるのに結婚しない気！？」

増田「そうじゃなくて…急な話だったから驚いただけだよ」

彩花「じゃあ前向きに考えるって事でいいんだよね！？」

増田「…」

彩花「なんで黙るの！？」




黙り込む俺を合図かのようにいつもの彼女の叫び声が部屋中に響いた
甲高い声に耳が痛くなる。いや耳だけじゃない、もう心もボロボロだ…

前に1度だけ別れを切り出したがあの時もこうだったな。
一方的に泣き叫ぶ彼女とそれを受け流すだけの自分。
もううんざりだ…




増田「いい加減にしてくれよ…！」

彩花「！」

増田「！あっ…ごめん…」




思わず大きな声を出してしまい彼女だけじゃなく自分まで驚いた
こんな感情的になった事は今まで1度も無かったからさすがに彼女も怯えているようだった
そんな様子に何も言えず頭を冷やす為にも黙って家を出た

ボーッと歩いていたら公園に辿り着きベンチに座って俯いていると上から声がした




貴方「増田さん…？」




Aちゃんだ。
まさかの人物に驚いたがそれよりも安心と偶然会えた事の嬉しさに気づいてしまいフッと鼻で笑った




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