二度目の初恋【増田俊樹】

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数日経つとあの事故も自然と忘れていき私は高校生になった
ちょっと大きい制服に身を包んでまだ慣れない校舎内を歩き職員室へ向かった




貴方「失礼します。1年2組の蜂谷です」

「おー、蜂谷！」

貴方「用ってなんですか？」

「これ次の授業で使う道具なんだけど持ってってくれるか？」

貴方「わかりました」

「ありがとう！よろしくな〜」




呼ばれた理由はこれか。
笑顔で大きなダンボールを渡され受け取ると想像以上に重くて少し後悔した
こんなに重いなら誰か1人道ずれにするんだった




貴方「ふぅ…あと1階」




やっと2階まで登り最後の階段を登ろうとした時荷物のせいで視界が邪魔され前から人が来ている事に気づけずぶつかってしまった




貴方「きゃ…っ」




やばい…！落ちる…っ

どうする事もできず諦めて目を瞑った時背中に温もりを感じた
振り返ると顔のあちこちに絆創膏やガーゼをしている男の子が私の体を支えてくれていた

ネクタイの色からして3年生だろう
えっ、なんで傷だらけ？もしかして喧嘩ばかりしてるヤンキーとか？

なんて考えを咄嗟に思いつき勝手に怯えているとそれとは真逆に優しい笑顔を向けてくれた




「あっぶね…大丈夫！？」

貴方「あ、ありがとうございます…」

「それどこまで持ってくの？」

貴方「あ、えと、1年2組の教室まで…」

「持ってくよ！」

貴方「えっ、いや大丈夫です！」

「いいからいいから！」

貴方「ありがとうございます…」




半ば強引にダンボールを奪われ教室まで運んでくれた先輩の後を黙って着いて行った
教室につくとしっかり中まで運んでくれて改めてお礼を伝えた




貴方「本当にありがとうございました！」

「どういたしまして！」




笑顔で笑いかけてくれる先輩に一瞬で心が奪われた
ヒラヒラと手を振って去っていく彼の後ろ姿をボーッと見つめた

あっ、名前聞いとけばよかった…




美香「ちょっと！今増田先輩と話してなかった！？」

貴方「えっ？増田先輩っていうの？」

美香「知らないの！？3年生に超カッコイイ先輩がいるって前に話したじゃん！」

貴方「そ、そうだっけ？」

美香「もー！またボーッとしてて話聞いてなかったでしょ！？」




怒った顔をする友達に図星で何も言えず苦笑いをした

増田先輩か…
素敵な人だったな…


その日から気づいたら増田先輩を目で追っていた




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