二度目の初恋【増田俊樹】

17 ページ18

.




女性が帰ると増田さんは私に向き直り頭を下げた




増田「ごめん！変な所見せて……」

貴方「い、いえ！…あの女性って増田さんの…」

増田「ああ、彼女なんだ」




苦笑いを浮かべながら答える増田さんに心臓がズシッと重くなったような感覚に陥った

彼女…いたんだ。そうだよね、こんな素敵な人周りが放っておくはずないのに私ってば一人で頑張っちゃってさ…




増田「彼女さ…ちょっと情緒が不安定な所あるけど良い奴なんだよ！普段は大人しいし俺の話も楽しそうに聞いてくれるし…」

貴方「そう…なんですね！彼女さんの事大好きなんですね！」

増田「おう！笑、俺の命の恩人でもあるから」

貴方「命の恩人…？」

増田「高校生の頃交通事故にあってさ、血まみれの俺を介抱してくれたんだ」




そうだ…！あの女性どこかで見たことあると思ったら高校の時だ！増田さんと一緒に歩いている所を見た！
そっか…まだ付き合ってたんだ…すごいな、こんなに長く一緒にいられるなんて。




貴方「増田さんその女性の事ずっと探してましたもんね…」

増田「知ってた？笑、どうしてもあの時のお礼もう1回言いたくてさ！」

貴方「…見つかって良かったですね！」

増田「おう！笑」




眩しいくらいの笑顔を向ける増田さんに胸がギュッと締め付けられた
私が入る隙はない…か

その後はまた駅までお喋りをしながら歩いたが会話の内容はあまり覚えていなかった




.

18→←16

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す