第126夜 ページ27
side シンドバッド
『──なにもわかっていないのはお前だ!Aッ!』
俺はさっきAにそう言った。
それはAの為であり、とくに"俺の為"でもあった。
「後悔しているのですか?」
「…やはり後悔しているように見えるか?ジャーファル」
「ええ、とっても」
はは、と笑おうとするがどうやらうまく笑えない。
今この部屋には俺とジャーファルの二人だけ。
他のみんなはAを心配したりなど各々の部屋へと戻っていった。
「あなたが決めたことなのでしょう?何を後悔することがあるのですか」
「おい、なんだか言葉がきつくないか?」
ジャーファルもAが好きだからってそっちに加勢するなんて聞いてないぞ。
お前、俺に一生つくんじゃないのか。
「さすがに、言い過ぎたかな…」
「あの様子ではね…」
「うーん……」
困った、非常に困った。
もうAをこの国から出したくない思いが募り募って爆発してしまった。
「なあ、Aに嫌われたかな?なあジャーファル…」
「知りませんよ!そんなの自分で聞いてください !」
「よし、俺の代わりにAのところへ行ってこい。王の命令な」
「んな横暴な!」
俺が無理矢理にでも言うとジャーファルは折れるしかない。
しぶしぶ部屋の前まで行くとくるりとジャーファルは振り向いた。
「シン、貸しですよ」
そう言い残してジャーファルは部屋を出る。
誰かに頼るなんてこと昔はなかったのに、今では誰かを使ってでもしようとするなんて。
「俺も変わったな…」
アリババくんたちのように楽しかったこともあった。
そこにAが加わるとなると、不安になる。
俺が辿ってきた道と同じ道は歩ませたくない。
「でもそれはただの甘えなのかもな」
するとその問いの答えとは別の答えが、ドアから出てきたジャーファルから返ってきた。
「シン!!Aがザガン攻略に行ったみたいです!」
1枚の紙を持って慌てて出てきたジャーファル。
どうしてこうも思い通りに話がうまくいかないのだろう。
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リオン - 更新頑張ってください。白龍にものすごいイラつきます。 (2014年3月27日 16時) (レス) id: 05f7c9a81e (このIDを非表示/違反報告)
マリオ猫 - いつも、楽しんで見させてもらっています、頑張ってください。 (2014年3月26日 11時) (レス) id: 5341ad8bcb (このIDを非表示/違反報告)
えみ(プロフ) - 更新頑張ってください!!応援してます(>∀<)/ (2014年3月25日 16時) (レス) id: d067e201be (このIDを非表示/違反報告)
夢 - 応援してます。 (2014年3月25日 14時) (レス) id: 4acf52a743 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音 - この小説って誰落ちになるんですか?? (2014年3月25日 11時) (レス) id: 032c5536ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆづも | 作成日時:2013年8月3日 19時