Goodbye Summer ── 初恋 ── (ページ11)

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…

『歩いたぁー』

楽しかった練習２日目が終わり帰宅すると、君はソファーにぐでっと倒れ込んだ。足が危なっかしかったけど、そこは上手くやるのが君らしい。痛がる素振りもなく、足を休めている。

『ギョンスくん、今日の練習はどうだった？』

君を呆れ顔で笑ったお母さんは、夕食の用意を始めながら俺に聞いた。

『ギョンちゃんは、私よりも日本人の友達が多いです(笑)』

でも先に答えたのは君で、上半身だけパッと起き上がると、笑いながらそう言った。二日で抜かされたって嘆いてるようだけど、半分以上はユリカが居るからで、もう半分はジヨルが居るから。

『じゃあ、来週は自転車で行ってみる？』

それを聞いてお母さんから出た提案は、俺が楽しみにしていたことだった。留学前に、ステイ先から学校までは田舎道を自転車通学だって聞いていて、俺は誰よりも楽しみにしていたのだ。

『ユリちゃんは家離れてるから……あ！アイツに聞いてみよう』

君は起き上がって、リビングに放置されていたケータイを手に取った。素早くボタンを押すと、少しして返信らしき音が。

『明日からOKだって！ギョンちゃん、体育祭終わったら、サッカー部に行くんだよね？こいつ、サッカー部の、ブチョウ』

君はまたケータイを操作して、画面を俺に見せてきた。そこには集合写真があって、君はその中で君の隣に写る人を指差す。

『……ケン、ジ？』

『そう！家が近いの。明日から、一緒に自転車で登校。OK？』

『…ぁ、はい、OK』

同じクラスだし、よく話す奴だった。ユリカのことが好きなんだろうなって、漠然と思っていた人物。人見知りは全くしない印象で、俺にもよく話し掛けてくれていた。

『よし！じゃ、決まりね！』

こうして、俺の自転車通学は始まった。

『おばさん、おはよー。ギョンスもおはよー。……あれ？Aは？』

翌朝、ケンジが迎えに来てくれたのは、君が言っていた時間より少し早め。家族で仲が良いのか、馴れた感じでやってきた。

『まだ寝てる。あの子の事は車で送っていくから、ギョンスくんをお願いね』

君が起きていないうちに出発。続々と通学路でケンジの友達が合流してきて、学校に着いた頃には大所帯だった。

どうやらケンジもかなりの人気者のようだ。

『あ、ギョンスー！ケンジー！おはようー！』

『あ！ジヨル、おはよー！』

そして人気者同士は

いつの間にか繋がっていたらしい。