181:テミン ページ31
…
『では!お先に失礼します!』
控え室を出る君とリアさん。
『気をつけて帰ってね』
ドアまで見送ると
室内にはマネヒョンと俺だけになった。
『俺らもそろそろ出るからな』
そう俺に言って電話を掛け始めたヒョン。
『準備します。──』
ヒョンの視界から外れたのを確認すると、
俺は手に持ったままの資料を
小さく覗き見た。
”もちろん!ここに書いて良い?”
二人きりのエレベーターの中。
君は俺の資料に連絡先を書いてくれた。
”ありがとう。帰ったらメッセージ送るね”
資料を筒みたいに丸めて
鞄の奥にしまう。
何となく
ヒョンには知られちゃいけないと思ったから。
君もそう思ったのか、
連絡先を教えてくれたことを
一切チラつかせなかった。
…帰ったらすぐ部屋行こ
君と俺だけの秘密に
口元が緩みそう。
『テミンにも知らせておくよ。じゃ、また。──テミナ、帰るぞ』
…?俺?
するとマネヒョンの通話が終わり
ケータイを見る間も無く
控え室を出る時間になった。
通話の最後が気になったまま
俺はヒョンに連れられて車に乗り込む。
『テミナ』
それからいつもの大通りに入ってすぐ
マネヒョンが俺を呼んだ。
『はい』
電話の事なのは言われなくても分かる。
いま俺に連絡事項があるとすれば2つ。
昨日のレコーディングから発展した話か。
それとも今日の昼
事務所で3人のマネージャーが集まった話か。
どちらとも俺は詳しく知りたい。
すぐに後部座席から
助手席に抱き付く形で顔を出すと
『ソルリがな』
マネヒョンが言った名前に
固唾を飲んだ。
電話はfxのマネージャーだったようだ。
…見せたんだ
タイミングからして
ソルリに放送を見せたのだろう。
当然のワンクッションではある。
二人で話すのはまだ無理でも
fxのカムバックの時、
MCは君なのだから。
もう一度唾を飲んで
変わらないヒョンの表情を見つめる。
……どうだったんだ…?
でも事態は
『泣いて喜んでたって』
…え…
『何も言ってなかったけど、見た事ないくらい、本当に嬉しそうに泣いてたって』
俺達が思っていたより何倍も早く
好転して行きそうだった。
『…俺、頑張ります!』
ならば俺も
それを後押しするのみ。
『頼むぞ、テミナ』
この夏
俺に不安なんて無かった。
すべて上手くいく予感しか
しなかったから。
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麦茶(プロフ) - 蘭さん» JBのファンの方に受け入れて頂き、とても嬉しいです(ToT) 場面が進んで、少しスピードを上げられそうです! また推敲スランプになるまではテンポ良くの更新頑張ります!! (2016年6月18日 19時) (レス) id: eb92453c55 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - スランプ中なのですね><私自身じぇぼむペンだったものですからとても嬉しく微笑ましい内容でスラスラと読み進めてきました^^あまり深く考え込まないといいのですが><また最初から読み返して更新待っていますね(^^) (2016年6月10日 3時) (レス) id: ab4b941453 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - 蘭さん» コメントありがとうございます! 更新が遅くて本当に申し訳ありません(T-T) 推敲スランプ中ですが、蘭さんのお言葉を励みに頑張ります!! (2016年6月8日 19時) (レス) id: eb92453c55 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - 初めまして!実は楽しく読ませていただいておりました!お忙しい中大変だとは思いますが今後も楽しみにしておりますのでまた更新待っています^^ (2016年6月7日 17時) (レス) id: ab4b941453 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - つさん» 優しいお言葉ありがとうございます(T-T) (2016年4月2日 20時) (レス) id: eb92453c55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麦茶 | 作成日時:2015年7月17日 17時