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誰かに肩を叩かれ顔を上げる。
どうやら眠ってしまったようだ。すでに朝日が昇っている。
医師「伊沢さん、すみません朝早く」
拓司「いえ」
医師「拓朗くんのことで少しお話が」
拓司「はい、何でしょうか？」
医師「腕にたくさんの痣があるんです。ちょっと見てもらってもいいですか？」
そう言うなり拓朗の病衣を捲る。
拓司「………」
思わず息を飲んだ。
真っ白な腕に痛々しい痣。治りかけのものや最近出来たであろうものまで。
医師「大変言いづらいのですが奥様が拓朗くんに虐待のような行為をされてたのではないかと」
拓司「え？」
医師「拓朗君が転んだりどこかにぶつけたりしたにはとても不自然なんです。奥様が日常的に虐待をしていたとしか考えられないです」
拓司「…」
医師「児童相談所に電話をしたところ幼稚園の先生からの通報で家まで何回か出向いたことがあるようです」
医師「ところが拓朗くんに誰にやられたか聞いても、首を振るだけで確証は得られず何も出来なかったと聞きました」
医師から告げられることに俺は驚くばかり。
彼女が拓朗に虐待？まさか俺への不満をこんな小さな拓朗に向けているとは…
拓朗「……ん」
拓司「拓朗！？分かるか？」
拓朗「ｺｸﾘ」
俺たちの話し声で目を覚ました拓朗は何も言わず、ただ抱っこしてと手を伸ばしてくる。
医師「拓朗くん、ちょっとだけもしもしさせて？」
拓朗「ﾌﾙﾌﾙ」
医師「痛くないからね、パパに抱っこしてもらってて？」
拓司「ほらおいで？」
点滴に気を付けながら拓朗を先生の方へと向けて抱き抱える。
医師「…うん、特に問題はないですね。今日退院して頂いて大丈夫です」
拓司「良かった、ありがとうございます」
医師「退院の手続きしてきますね」
拓朗の頭を撫でて部屋を出て行く先生。
先生に頭を下げて拓朗を俺の方へ向き直らせる。
拓司「拓朗腕どうしたの？」
拓朗「………」
拓司「痛くない？ママにされた？」
拓朗「………」
すると黙っていた拓朗が小さく呟く。
拓朗「…ぼくがわるいこだから」
拓司「え、」
拓朗「ぼくが…」
拓朗は静かに泣き出した。子どものように大声を出して泣くのではなく、ただただ涙をポロポロ溢した。
俺はその背中をトントンと叩いてやることしか出来なかった。
________
すっかり日が暮れた頃。病院を出る。
泣き疲れたのか眠ってしまった拓朗をあの家には連れて帰りたくなくてオフィスへと向かう。
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まーちん(プロフ) - rioさん» わ〜ありがとうございます！そう言って頂けるととても嬉しいです。これからも頑張ります！ (2020年11月1日 22時) (
レス) id: 6a04e81562 (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - たった今見つけて全て読んできました！めっちゃファンになりました！ずっと読まさせていただきます！ (2020年11月1日 21時) (レス) id: fc34d02cb0 (このIDを非表示/違反報告)
まーちん(プロフ) - 問読みの達人さん» コメントありがとうございます！小学校入学するくらいまでは書いていこうかなと思ってますので引き続き読んで頂けると嬉しいです！ (2020年10月6日 14時) (レス) id: f2747088a0 (このIDを非表示/違反報告)
問読みの達人(プロフ) - 初めまして、栞を挟ませていただいてます！そろそろ最後の運動会が幕を開けるかと思うと寂しいような嬉しいようなで、待ち遠しいです。更新、応援しております！！ (2020年10月6日 12時) (レス) id: 50e75b1570 (このIDを非表示/違反報告)
まーちん(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます！引き続きお楽しみ頂ければ嬉しいです！ (2020年9月21日 23時) (レス) id: f2747088a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まーちん | 作成日時：2020年9月21日 19時
