ずっと、一緒

パパの誕生日 ページ22

河村side

今日は伊沢が東大王の収録で夜まで帰ってこない。


幼稚園からオフィスへと帰ってきた拓朗くんに声を掛けられる。


拓朗「ねぇたっくん、パパのお誕生日っていつ？」

河村「誕生日？だったら明後日だと思うけど…」


急に言われると自信がなく、カレンダーを見て確信する。


カレンダーには明後日のところに[俺の誕生日]と伊沢の字で書いてある。


河村「どうして？」

拓朗「あのね◯◯くんがね、お母さんのお誕生日にケーキ作ったんだって。そうしたらすごい喜んでくれたんだって。僕もケーキ作りたい」


なんと可愛らしいお願い。


河村「ケーキか…動画メンバーに作れるやついるかな」


思い浮かべてみるものの、自炊すら微妙な奴らの集まりなので不可能だと気付く。


だが、どうしても作らせてあげたい。


僕は微かな希望を持ってある人へと電話をかける。


光side

東大王の収録中に珍しい相手から留守電が入っていた。


光「もしもし？河村さん？どうなさいました？」

河村「光ちゃん久しぶり。急にごめんね。確認だけどその場に伊沢いないよね？」

光「伊沢さんですか？いえ、今控え室なのでいませんよ」

河村「良かった〜それでお願いがあるんだけど…」


河村さんとの電話を終える。


拓朗くんに会うのは1年ぶりくらい。1度収録現場で会った以来だ。


幼稚園生でも作れるケーキか…と頭を悩ませていると


拓司「光ちゃん？どうしたの難しい顔して」


と知らぬ間に控え室に来ていた伊沢さんに急に声を掛けられる。


光「…ﾋﾞｸｯ いえいえ、何でもないです」

拓司「そう？悩みがあるなら相談してね」


伊沢さんに作るケーキに悩んでいるんです、なんて言えず


光「はい、ありがとうございます」


そう答えるしかなかった。


__誕生日当日__


光side

光「こんにちは、鈴木光です」


オフィスに来るのはいつぶりだろう。


少し緊張しながらインターフォンに話しかける。


ｶﾞﾁｬﾘ


山本「光ちゃんいらっしゃい、話は聞いてるよ。どうぞ」

光「お邪魔します」


スリッパを履き部屋に案内して頂く。


光「こんにちは、お邪魔します。これ良かったら皆さんで食べて下さい」

河村「こっちが呼んだのに気を使って貰っちゃってごめんね。ありがたく頂くよ」


河村さんにお土産を渡す。


すると須貝さんと一緒にソファに座っていた拓朗くんがトコトコこちらに歩いてくる。

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