ずっと、一緒

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福良side

最初の20分くらいは元気よく話していた拓朗くんだけど、だんだんと目蓋が落ちていく。


拓司「拓朗？眠いか？」

拓朗「ｺｸﾘ」

拓司「ここ頭置いていいから寝ちゃいな」


周りを見渡せばどの子もすっかり夢の中だ。


拓司「福良さんも寝たらどうです？俺起こしますよ？」

福良「いや、それなら伊沢が寝なよ。今日早起きだったんでしょ？」

拓司「んーじゃあお言葉に甘えて」


伊沢の寝息と拓朗くんの寝息を聞いていたら僕まで眠くなってしまった。


ちょっとだけ、ちょっとだけ寝かせて下さい。


_______


肩を叩かれ目を開ける


伊沢「福良さん、起きてください。もう着きます」

福良「うわ、ごめん。完全に爆睡した」

伊沢「大丈夫っす。俺もさっき起きたんで」


隣を見れば拓朗くんはまだ夢の中。


ザワザワしてきたので他の子達は起きているのだろう。


拓司「拓朗、拓朗。もう着くよ起きて」

拓朗「ｽｰｽｰ」


伊沢がトントンと叩きながら声を掛けるも無反応。


福良「完全に寝ちゃってるね」

拓司「あんなに朝早く起きるから〜、ほら起きた起きた！」


ちょっと強めに体をゆすればゆっくりと目蓋が開く。


拓朗「……ん？」

福良「拓朗くん、おはよう。もう着くって」

拓朗「………どこに？」


思わず笑ってしまう。


拓司「お前なぁ笑 公園だよ。長い滑り台で遊ぶんだろ？」

拓朗「あははっそうだった〜」


寝坊助め〜と伊沢が頭を撫でる。


バスが停車し、順番に降りていく。


5月晴れという言葉がピッタリな天気。少し走れば汗をかきそうだ。


拓司「いいか、1人でどっかに行っちゃダメだぞ？絶対にパパか福良さんと一緒な？約束」


と指切りげんまん。けんくんもと言われたので僕も加わる。


◯◯「最初に園児のみんなはこっちで写真撮るよ〜背の順に並んでね〜」


園児の子たちがワーっと先生の元へと走っていく中、拓朗くんは伊沢にくっついたまま。


拓司「拓朗、みんなのところ行っておいで？」

拓朗「…パパは？」

拓司「お友達と拓朗でお写真撮るからパパは行けないんだよ。ほらあそこで見てるから行っといで？」

拓朗「…………ｺｸﾘ」


拓朗くんがみんなの元へと走り出す。


福良「みんなと並ぶとちょっと小さいね」

拓司「そうだね、背の順は1番前って言ってた笑」


未熟児で産まれた拓朗くんは他の子に比べて少し小さい。


横を見れば伊沢が何やら不安そうに拓朗くんを見つめている。

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