ずっと、一緒

親子遠足 ページ17

拓司side

夕飯を食べ終わり食器を洗っていると、リビングからﾌﾝﾌﾌｰﾝ♪とご機嫌な鼻歌が聞こえる。


そう、明日は拓朗がとっても楽しみにしていた幼稚園最後の親子遠足なのだ。


拓司「拓朗、もう寝ないと明日起きられないぞ」

拓朗「えーーまだ起きてる！」

拓司「言うこと聞かないと明日のおやつ無しにしちゃうぞ〜」

拓朗「やだー！おやすみなさい！」


と逃げるように寝室へ。


明日は平日なのにわざわざ休みを取って参加するお父さんもいるらしく、付き添いは2名までOKと記載があった。


別に俺だけでも良かったんだけど試しに拓朗に誰と行きたい？と聞いたところ、1番遠足に不向きな福良さんを指名。


福良さんに伝えると最初は嫌な顔をしたものの拓朗の為ならと引き受けてくれた(まぁ今日まで渋ってはいたが笑)


レジャーシートにお菓子、帽子……と準備をしていればあっという間に22時に。


普段はこんな早くには寝ないのだが、明日の為にと寝室へと向かう。


次の日の朝。


拓朗「パパ〜起きて！遅刻しちゃう！」


目覚まし時計よりも早く拓朗の声で起こされる。


拓司「まだ大丈夫だよ…あとちょっと寝かせて…」

拓朗「だーめ！起きて！」


と脇の辺りをくすぐられる。


拓司「分かった分かった笑 起きるから」


朝早いのに異常にテンションの高い拓朗を連れてリビングへ行く。


朝ごはんとお弁当を作っていると椅子に上り目をキラキラさせて眺めてくる。


拓朗「卵焼きと唐揚げいっぱい入れてね？」

拓司「福良さんも食べるからな、今年はいっぱい作るぞ。野菜も入れるからちゃんと食べろよ？」

拓朗「…はーい」


この野菜嫌いめ、と目の前にいる拓朗と今日の付き添い人の顔を思い浮かべる。


拓司「よし、朝ごはん食べよう」


いただきまーすと食べ始めると案の定すぐにお腹いっぱいと箸を置く。


拓司「ほら、ちゃんと全部食べないと元気に遊べないよ？」

拓朗「もうお腹いっぱいだもーん」


ひょいっと椅子から下りてしまう。


拓司「こら！ご馳走様してないのにどこ行くの！」


いつもより少し低い声を出すと、ﾋﾞｸｯと肩を震わせ目が潤んでくる。


拓司「あと一口だけ食べよ？そうしたらご馳走様していいから、ね？」

拓朗「…うん」


スクランブルエッグを口に入れれば嫌そうな顔をしながらも食べ始める。


拓朗「ｺﾞｸﾘ ご馳走様でした」

拓司「ん、歯磨きしておいで」


はーいと洗面所へと向かう。

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