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電話を切ってから1時間ほどでインターホンが鳴った。
近所のカフェとか公園とか、なんなら私が出向く事も考えたけど、どれを選んでもリスクしかない気がして結局自宅の住所を送ったんだ。
この期に及んで自分が下りるべきか、オートロックを解錠すべきか迷っている。
しばらくモニターとにらめっこしていると今度は携帯が鳴った。
うん、そうだよね。
モニター越しの彼の耳元には携帯。
サングラスしてるからわかんないけど、確実に絶対に100パーセント、カメラを睨んでる。
「今、開けまーす。」
たぶんこれが最善。
「入っていい?」
「あー、うん、どうぞ。」
「...彼氏に怒られたりする?」
今更すぎる確認につい吹き出しそうになった。
笑いを堪えていると、なんだよ。って不貞腐れたような表情。
「怒られちゃうかもー。でもあの登坂広臣だよ!断れないでしょ!って言い訳するね。」
「ははっ、んじゃサイン書いてくわ。」
「お願いしようかなー。っていうのは冗談で。別れたから気にしなくていいよ。」
まじか。って言いながら立ち止まった彼に、座ったら?って声をかける。
さすがに彼氏がいたら元カレを部屋に入れるなんていくらなんでもしない。と思う。
そこまで腐ってない。と思う。
言い切れないあたり、自分の人間性を疑うけど。
「コーヒーでいい?それとも飲む?」
「あー、どうすっかな。お前飲んでる?」
「ちょっとだけね。」
「じゃあ俺も。」
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あお(プロフ) - meguさん» ご丁寧にありがとうございます。meguさんはとっても嬉しいお方ですね。そんな方に読んでいただけて嬉しいです。今後もよろしくお願いします。 (2021年2月6日 4時) (レス) id: e7291e172f (このIDを非表示/違反報告)
megu(プロフ) - 誤解をさせてしまったら申し訳ありません。更新のスピードは気にしていません。それよりお話の内容の方が大切ですから。久しぶりにドキドキする、大好きだなと思える小説に出会えました。本当にありがとうございます。あおさんのペースで書いてくださいね。 (2021年1月19日 18時) (レス) id: f00810db22 (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - meguさん» コメントありがとうございます。そんな風に言っていただけるなんて嬉しくて泣いちゃいそうです。更新の遅さは本当にごめんなさい...。頑張りますのでお付き合いいただけたら幸いです。 (2021年1月19日 17時) (レス) id: e7291e172f (このIDを非表示/違反報告)
megu(プロフ) - 更新が遅かったとしても、読んだらそんなこと忘れてしまうくらい切なくて苦しくて、でもきゅんとする素敵な作品をありがとうございます。最後まで大切に読ませていただきます。登坂さんをこんなに素敵に描いてくださること、とても嬉しいです… (2021年1月19日 2時) (レス) id: f00810db22 (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - ユキさん» こちらこそありがとうございます。全然更新出来なくて本当に申し訳ないです。 (2020年10月26日 16時) (レス) id: 652c381dd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あお | 作成日時:2020年6月22日 12時