Only Holy Story ２

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あんな事言ってもらったのに、はっきりした返事が出来ないでいる私。
お互い大切なままで、あと一歩踏み出せば恋人っていう聞く人が聞けばなんとももどかしい位置。
でも、大切で大事だからこそ付き合えないっていう気持ちがなくならないんだよ。

何度も行ったり来たり。
好き...
でも...
言いたい...
言えない...
素直になるってどうやるんだっけ？
素直になってもいいの？

そんな事を思いながら、隣で携帯をいじる広臣の横顔をこっそり見つめた。
悪いからいいって言ったのに送るの一点張りで、結局甘えちゃった。

「コンビニ寄ってくからここでいいよ、ありがとね。」

「そ？おっけー。」

あっと言う間にマンション付近まで来ていたタクシー。
夜風にあたりたくてそう伝えるとなぜか一緒に降りた広臣。

「タバコ吸いたい、付き合って。」

それだけ言ってスタスタとコンビニの前に置いてある灰皿のもとへ行ってしまった。

「人いないからって堂々としすぎじゃない？大丈夫？」

「余裕っしょ。」

タバコに火をつける姿を眺めていると不思議そうに見つめ返された。

「あれ？やめた？」

「もともとそんな吸ってないし今は持ち歩いてないよ。」

あなたのマネして、あなたを思い出して吸ってました。なんて格好悪くて言えない。
いる？って差し出されたタバコに火をつけてみたけどむせちゃってろくに吸えなかった。

「美味しくない。」

「だろうな。」

「やめないの？」

「そのうち。」

なんて、適当な会話。

「よっしゃ、行くか。」

吸い終えた広臣はそんな事を言いながら歩き出した。

「どこ行くの？」

「Aの家。」

「えっ？なんで？」

「もうすぐ冬がはじまるーみたいな空気の中、歩くの好きじゃん？一服付き合ってくれたお礼に今度は俺が付き合う。」

ずるい。
ずるすぎる。
私の事なんでもわかってるんだもん。
そんなの敵わない。

少し前を歩く大きな背中。
隣には並べないけど、私のペースに合わせてくれてるってわかる。

油断したら好きって言っちゃいそうで...、
言葉の変わりに涙が溢れそうになったのは私だけの秘密。





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