Only Holy Story ２

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「落ち着いた？」

「うん、ありがと...、私最近、涙腺バカなの。」

「あーあるよね、そういう時。」

本当にあるの？ってくらい軽い返事が今の私には丁度良い。

「もういっこさ、聞いて欲しい事があるんだけどいい？」

「ん？いーよー。」

そう言いながら携帯をいじりだした。
もう聞く姿勢じゃないのがおかしくて、でもそれが本当に心地よくてただ私が吐き出したいだけなのわかってくれてるのかなーって勝手に嬉しくなる。

「元カレとご飯行く約束してるんだけどね、元カレとね、あ、これは違う元カレね。なんかすごい傷つけちゃったんだけどそのなんていうかご飯行くのが楽しみっていう気持ちが強くて...、」

私の取り留めのない話を適当な相槌を打って聞いてくれる。
いや、もう聞いてないか。
自分でも何を言ってるのかよくわかんないもん。

「なんか本当に私って薄情なヤツだなーって思うんだけどどう思う？」

「え、なにが？」

「あ、やっぱり聞いてない。」

「聞いてた聞いてた。」

「嘘じゃん。もういいや、話したらすっきりした。」

なんとなくもやもやしてたものはなくなった。
少しだけ自分に正直に生きてみるのもいいかもって思う。

「ちゃんと聞いてたって！臣さんと飯行くのが楽しみって話でしょ？べつにいいじゃん。楽しんで来いよ。」

「なんか違う...。」

「てかさ、やっぱ気になるから俺も聞いていい？」

「なに？」

「...５年前、なんで別れたの？」





これは私が乗り越えなきゃいけない試練。
話す、話さない。
大事な二択を今度は間違えないように。





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