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OMISIDE
「それじゃあいつもの飲み会と変わんないじゃないですかー!」
「Aが怒ったー!」
「皺増えるでーA!」
さっきからくるくると表情を変えながら話し合いを進める彼女が可愛くてつい笑みがこぼれる。
笑ったり怒ったり、ほんと忙しい奴。
みんなが呼び捨てに変わったときも照れながら返事してたっけ。
「きゅん」って聞こえてきそうな表情で彼女を見るメンバーにすら嫉妬したなんて格好悪くて言えないけど、いろんな顔を見せてくれる彼女に俺は見事にはまっているんだ。
「あっ!じゃあ俺ら仕事で来れなくなったことにしない?それで変装してスタッフとかに紛れる。」
なかなか進まなかったアサミちゃんの結婚式のプラン建て。
直人さんの一言にみんな目を輝かせた。
「モニタリングみたいで楽しそう!」
「私も変装したいな。」
「いや、Aはだめでしょ。」
みんなで笑いながら和やかに終わった会議。
とりあえず方向性が決まって一安心といったところ。
荷物をまとめて帰る準備をしている彼女に近づいて声をかける。
「入口まで送る。」
「ふふっ、ありがとう。」
恒例になりつつあるこの行動を笑って見ているメンバーに挨拶をして会議室を後にした。
少しでも一緒にいたい。
これは俺の我儘なんだ。そんな風に思いながらエレベーターに乗り込むと彼女が呟くように言う。
「ちょっとでも長くいれて嬉しい。いつもありがとね?」
「お前ほんとずりーよ。」
堪らず触れるだけのキスをすれば「ここ職場だよ」って笑っている。
同じことを想っている幸せと素直に言葉にして伝えてくれる喜び。
こんなにも満たされている自分がいる。
見えなくなるまで手を振る彼女に毎度のことながら愛しさが込み上げた。
.
.
「マコトさんにも言っておかないとな。」
「そうっすね、俺ら行けなくなったんでサプライズはまた今度ってことにしときましょう。」
会議室に戻ると何か話しているみんな。
不思議そうにしている俺に「おかえり」と言いながら隆二が説明してくれた。
「Aの誕生日のこと。アサミちゃん達にも内緒にしとこうかって。その方がサプライズするにはいいでしょ。臣、絶対言うなよ!」
「いや、あぶねーの俺より隆二とエリーだろ。」
確かに!って笑うみんな。
佐藤にも協力してもらって話を詰めていった。
...
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あお(プロフ) - みーやんさん» ありがとうございます。そう言っていただけて本当に嬉しいです。頑張ります! (2020年2月5日 14時) (レス) id: 9c6435a544 (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - shireyさん» こちらこそありがとうございますです。花歌いいですよね。すごく好きなんです。 (2020年2月5日 14時) (レス) id: 9c6435a544 (このIDを非表示/違反報告)
みーやん(プロフ) - 完結おめでとうございます。そしてありがとう!素敵な作品だった7人の絆がとても伝わった作品です。この臣くん大好きです私は(笑)次の作品楽しみにしてます (2020年2月2日 19時) (レス) id: fc5b4935bc (このIDを非表示/違反報告)
shirey(プロフ) - ステキなお話で心があったかくなりました(;_;)すてきな作品をありがとうございます!改めて花歌、、いい歌だなって思いました^_^ (2020年2月2日 9時) (レス) id: eae9c1c1ca (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - 桜さん» もったいないお言葉ありがとうございます。登坂さんらしさを意識していたのでとても嬉しいです。私も応援しています。 (2020年1月31日 5時) (レス) id: 1045023487 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あお | 作成日時:2020年1月17日 3時