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OMISIDE
ツアーの打ち合わせのため、会場を後にした俺ら。
親友の結婚式ともあれば朝までコースかもしれない。そう思った俺は余計な連絡はせずに仕事に打ち込んだ。
「A、口説かれてんじゃね?」
休憩中、ふいに隆二がそんな事を言う。
「Aにその気がなくても二次会って出会いの場っすもんね。」
「友達の友達とかよくあるパターンね!」
岩ちゃんと直人さんまで俺をからかうように言う。
何も言わない俺を囲んであーだこーだ言い続ける3人。
心配してないって言えば嘘になるけど、Aはノーと言える女だと勝手に思っているから不思議と落ち着いていられた。
「A、飲みすぎたらやばいんちゃう?」
会話を聞いていたらしい健二郎君の一言に若干動揺する俺。
酒に飲まれやすいタイプなのは間違いない。
「トイレ。」
携帯を持って立ち上がればニヤニヤしながら見てくる隆二達をスルーして会議室を後にした。
邪魔をしたいわけじゃない。
盛り上がっているならそれはそれで全然いいと思ってる。
そう思いながらもトーク画面を開き打っては消して、打っては消してを繰り返す。
...女々しすぎだろ、俺。
何も送らないと決めみんなのもとへ戻った。
「お疲れさまでしたー!」
時刻は深夜2時。
予想外に長引いた打ち合わせを終え、帰り支度をしているとポケットにしまった携帯が震えた。
画面を見れば愛しい彼女からの着信で一瞬にして疲れが吹き飛んだような気がしてしまう俺は相当単純なやつだ。
「へへ〜もっしも〜し〜」
通話をタップして耳元にあてるとすぐに聞こえてきたのはかなり陽気な彼女の声。
「あれ〜ひ〜ろ〜お〜み〜ひ〜ろ〜お〜み〜さ〜んで〜すか〜?」
酔っ払いの声は携帯から漏れメンバーにも聞こえたようでケラケラ笑っている。
「なんかね〜スチームのやつ当たったよ〜」
「ビンゴ?」
「そしたらね〜広臣の声が聞きたくなった〜」
よくわかんねーけどふにゃんとした顔で笑ってんだろうな。
電話越しに伝わって来る彼女の可愛らしさに思わず笑みがこぼれそうになった。
「もう〜A〜飲みすぎっ!あっ臣さん?」
「アサミちゃん?」
「A、携帯置いてトイレ行っちゃった。ごめんね?今タクシー呼んだから。ちゃんと家まで帰すから心配しないでね?」
迎えに行くと言って電話を切るとなんだかんだで優しく見送ってくれたメンバーに挨拶してマネージャーの車に乗り込んだ。
...
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あお(プロフ) - みーやんさん» ありがとうございます。そう言っていただけて本当に嬉しいです。頑張ります! (2020年2月5日 14時) (レス) id: 9c6435a544 (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - shireyさん» こちらこそありがとうございますです。花歌いいですよね。すごく好きなんです。 (2020年2月5日 14時) (レス) id: 9c6435a544 (このIDを非表示/違反報告)
みーやん(プロフ) - 完結おめでとうございます。そしてありがとう!素敵な作品だった7人の絆がとても伝わった作品です。この臣くん大好きです私は(笑)次の作品楽しみにしてます (2020年2月2日 19時) (レス) id: fc5b4935bc (このIDを非表示/違反報告)
shirey(プロフ) - ステキなお話で心があったかくなりました(;_;)すてきな作品をありがとうございます!改めて花歌、、いい歌だなって思いました^_^ (2020年2月2日 9時) (レス) id: eae9c1c1ca (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - 桜さん» もったいないお言葉ありがとうございます。登坂さんらしさを意識していたのでとても嬉しいです。私も応援しています。 (2020年1月31日 5時) (レス) id: 1045023487 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あお | 作成日時:2020年1月17日 3時