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...
「まさか三代目のみんなとAちゃんが知り合いだったとはねー。世間は狭いねー!」
そう言って豪快に笑うマコトさん。
...全然笑えないです。
後は片付けだけだって言うからお店に案内された。
私の名前を呼ぶ岩さんにマコトさんが驚いてたけど、すぐに納得して、わざわざ2つのテーブルを繋ぎ合わせ一緒に座るように促された。
「仕事だよ。」
あ、今の言い方はあんまりよくなかったかな?と思いながら手元のコーヒーに目線を落とす。
「いやーでも、さすがAちゃんのお友達やな!めっちゃべっぴんさん!」
「あ、はじめまして。アサミです。Aがお世話になってます。」
保護者!っと笑うみんなに自然と私も笑顔になる。
ふと目線を上げるとこっちを見ている臣さんと目が合った。
そんな悲しそうな目で見ないでよ...
あの日みたいに泣きそうな顔で笑わないでよ...
「臣さん、ミルクとお砂糖いりますよね?マコトさーん!」
居ても立っても居られなくて、逃げるようにその場を後にした。
私、普通にしゃべれたよね?
キッチンの方に行くとマコトさんが美味しそうなデザートを作っていた。
「マコトさん、ミルクとお砂糖ちょうだい。」
「あ、ごめん。それ持って行って。」
カウンターに置いてあるセットを持つ。
「それ美味しそうだね。」
「Aちゃんとアサミちゃん用に特別メニュー!なんか今日元気ないでしょ?」
「...ありがと。」
泣きそうになるのを必死に堪え席に戻った。
臣さんの前にミルクと砂糖を置くと小さく「ありがとう」と言ってくれた。
「俺とAさんって運命の赤い糸で繋がれてんのかも。」
だってこんな偶然ある?って、真剣な顔で岩さんが言うからもう笑うしかなかった。
「そんなこと言ったら俺も繋がってるよ!」
すかさず直人さんが突っ込んで他のみんなも俺も俺もと手を挙げている。
「A愛されてるね。私は感動だよ。」
「大袈裟!」
泣き真似するようにアサミが言うからまたおかしくて笑えた。
みんながどこまで知ってるかわかんないけど、きっと気まずくならないように気を使ってくれてるんだと思う。
そういう優しい人達って知ってる。
だからいつまでも気にしてちゃだめだ。
同じことを繰り返さないようにちゃんと自分と向き合おうと心に誓った。
...
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あお(プロフ) - shireyさん» コメントありがとうございます。満足していただけるように頑張ります。 (2019年12月18日 11時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
shirey(プロフ) - 話が面白くて続きが楽しみです((o(*゚▽゚*)o))) (2019年12月17日 23時) (レス) id: eae9c1c1ca (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - みーやんさん» コメントありがとうございます。かなりゆっくりになると思いますが最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。 (2019年12月8日 0時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
みーやん(プロフ) - 初めまして!一気読みしてストーリーの純粋さが気に入って登録させて頂きました笑グイグイ行く岩田サンいいね〜私は臣くん推しだからこの先が楽しみです。焦らずゆっくりと素敵な作品作ってくださいね、更新お待ちしております (2019年12月7日 20時) (レス) id: fc5b4935bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あお | 作成日時:2019年11月26日 23時