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岩さんに手を引かれたままレコーディングルームに入ると、ボーカル2人と直人さんがソファーにかけて談笑していた。

「あ、やっぱこれAさんの?」

隆二さんが私の携帯を持って手を左右に振っている。

「すみません、忘れちゃったみたいで。」

はいっと渡された携帯を受け取り、お礼を言う。
直人さんがニヤニヤしながら私と岩さんの手元を見て

「なんで2人は手なんか繋いじゃってんのかなぁー?」

なんてからかうように言うから

「私も聞きたいです。」

と岩さんを見上げた。
拒否することはできたけど、理由がない。
ただ受け入れる理由もない。
何が正解かわからないから繋がれた手はそのまま。


「繋ぎたいからです!」

「っあはは。」

自信満々に言う岩さんが面白くてつい吹き出してしまった。
「何だそれ」と言いながらもみんな笑っていた。


「じゃ、俺らこれからご飯行くんで。」

「え、誘われてなーい。」

「誘ってないですもん。」

「誘おうよ!」

「っあはは!」

岩さんと直人さんの会話が面白くて笑いが止まらなかった。
隆二さんが「俺も行くー!臣も行くよね?」と静かに携帯をいじっていた臣さんに確認すると、一瞬困ったような顔をして、「先に行ってて」と言っていた。




「楽しみですね!」

「2人っきりがよかったな...」

隣を歩く岩さんは、前を歩く3人の背中を真っすぐ見つめながら呟くように言う。
きっと深い意味はないんだろう。


「そんな言い方しちゃうと女性は勘違いしちゃいますよ?」

茶化すようにふざけて言うと、岩さんは真剣な顔つきで私の腕を掴んで立ち止まる。

「Aさんは?」

「えっ?」

「Aさんは勘違いしてくれますか?」








遠くから「早く来いよー」と私たちを呼ぶ直人さんの声が聞こえる。

「大人をからかうのはよくないです。さっ行きましょ。」

そう言い、掴まれた腕をそっとほどいて小走りで先にいるみんなのもとへ駆け寄る。
すぐに岩さんも来て、「Aさんの顔にまつげがついてたからとってたんです。ね?」と私の方を見て言う。
私は頷くことしか出来ず、岩さんの顔を見ることが出来なかった。




そんな私たちの様子を臣さんがずっと見ていたなんて思いもせず...


この時の私は運命の歯車が動き出したことに気付いていなかった...


誰かの悲しみの上にある幸せなどいらない。





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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 登坂広臣 , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
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あお(プロフ) - shireyさん» コメントありがとうございます。満足していただけるように頑張ります。 (2019年12月18日 11時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
shirey(プロフ) - 話が面白くて続きが楽しみです((o(*゚▽゚*)o))) (2019年12月17日 23時) (レス) id: eae9c1c1ca (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - みーやんさん» コメントありがとうございます。かなりゆっくりになると思いますが最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。 (2019年12月8日 0時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
みーやん(プロフ) - 初めまして!一気読みしてストーリーの純粋さが気に入って登録させて頂きました笑グイグイ行く岩田サンいいね〜私は臣くん推しだからこの先が楽しみです。焦らずゆっくりと素敵な作品作ってくださいね、更新お待ちしております (2019年12月7日 20時) (レス) id: fc5b4935bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あお | 作成日時:2019年11月26日 23時

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