4 ページ4
...
お昼用にサンドイッチとホットコーヒーをテイクアウトしてゆっくりと川沿いを歩く。
LDH近くの公園で食べようかなと思ったけど、ファンの子達が結構いたりするんだよな。
どっか穴場的な場所ないかなと考えながらふらふら。
いつもは通ることのない路地へ進んでみる。
建物と建物の間だから昼間でも薄暗く、独特の雰囲気でなんだかそわそわする。
迷うことはないと思うけどお腹も空いてきたか50メートル程先に見えるベンチで昼食にしよう、そう思った時だった。
「〜〜♪♪〜〜」
微かに聞こえる鼻歌のような声。
パッとその声の方に視線を向けると、マスクにサングラス、バケットハットを深く被り壁に寄りかかっている人の姿。
うん。きっとアーティストさんだろう。LDHの。
この場所であの姿。とんでもなく鈍感でない限りそう思うのが普通だ。
声をかけるのもおかしいし、申し訳ないがそんなに詳しくは知らない。
仕事が決まってからちゃんと調べようと思っていたところだ。
見なかったことにして歩き出す。
本当に小さな小さな歌声だったけど、とても優しくてあったかくなるような不思議な声だったな。
「いただきまぁす。」
んーおいしい
ここのサンドイッチ好きかも。
美味しいものを食べている時って自然と笑顔になっちゃう。
「...ははっ」
ん?
小さな笑い声が聞こえる。
少し離れたベンチに腰掛け私の方を見ているさっき見かけた方。
マスクとサングラスで表情は読めないが肩震えてるよね?
こっち見て笑ってるよね?
「...なんでしょうか?」
「あーすみません。あまりにも美味しそうに食べてるんで」
「へっ?」
「あっ、気にせず食べてください。」
そう言って両手をズボンのポケットに突っ込み空を見あげた彼。
不思議に思いながらも残りのサンドイッチを頬張る。
たまに視線を感じるような気がしたけどどうでもいっか。
今は食に集中しよう。
...
741人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あお(プロフ) - shireyさん» コメントありがとうございます。満足していただけるように頑張ります。 (2019年12月18日 11時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
shirey(プロフ) - 話が面白くて続きが楽しみです((o(*゚▽゚*)o))) (2019年12月17日 23時) (レス) id: eae9c1c1ca (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - みーやんさん» コメントありがとうございます。かなりゆっくりになると思いますが最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。 (2019年12月8日 0時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
みーやん(プロフ) - 初めまして!一気読みしてストーリーの純粋さが気に入って登録させて頂きました笑グイグイ行く岩田サンいいね〜私は臣くん推しだからこの先が楽しみです。焦らずゆっくりと素敵な作品作ってくださいね、更新お待ちしております (2019年12月7日 20時) (レス) id: fc5b4935bc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あお | 作成日時:2019年11月26日 23時