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...
どのくらい時間が経ったのだろう。
走って少し汗をかいた身体が冷たくなって行くのを感じる。
コートも羽織らずに慌ててきてしまった事を後悔した。
「...冷えちゃったね。」
私の腕の中で臣さんが呟く。
「私体温高いんで大丈夫ですよ。」
ちょっと待ってと言って離れる身体。
隣に座るように促され、自分が来ていた上着を脱いで私にかけてくれた。
「臣さんが風邪ひいちゃいます！」
「実は俺も体温高いんです。」
そう言って微笑むと、私の前髪を撫でる。
その行為に顔が熱くなってしまったのは、ごくごく自然なことだと思う。
「前髪ぴょーんてなってる。」
「あ、走ったから...」
そこまで言って、しまったと思った。
優しい臣さんはきっと気にしてしまう。
「...ごめん。」
「全然！いい運動になりましたよ！いかに運動不足か思い知らされたんでこれをきにジムでも通おうかと考えていたところです。」
冷たくなった私の手を両手で包み込むように握り、「ありがとう」と呟く。
「月が綺麗ですね...。」
不覚にもドキドキしてしまいなんて言っていいのかわからず、どうにかして出てきた言葉はこれだった。
「...聞かないの？」
「臣さんが話したいなら聞きます。話したくないなら無理に聞かないです。きっと話したいなら今頃独り言として話してるんじゃないでしょうか。あの時みたいに。」
「なんだろ、Aさんには敵わないな。俺かっこ悪いとこばっか見せてるし...。」
少し不貞腐れたように言う。
「かっこ悪いなんて思わないですよ。弱いところを人に見せれる人は本当に強くてかっこいい人です。」
私には出来ないから。
たぶんあの日から私の中の何かが欠けていて。
嘆くことも絶望することもしないまま今まで来てしまったんだ。
「ほっんとに敵わないや。」
言い終えるのと同時にふわっと香る臣さんの香水。
暖かくなる身体。
抱きしめられていることに気付いたのは、臣さんの声が耳元で聞こえたから。
「ありがとう。」
...
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あお(プロフ) - shireyさん» コメントありがとうございます。満足していただけるように頑張ります。 (2019年12月18日 11時) (
レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
shirey(プロフ) - 話が面白くて続きが楽しみです((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2019年12月17日 23時) (レス) id: eae9c1c1ca (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - みーやんさん» コメントありがとうございます。かなりゆっくりになると思いますが最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。 (2019年12月8日 0時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
みーやん(プロフ) - 初めまして！一気読みしてストーリーの純粋さが気に入って登録させて頂きました笑グイグイ行く岩田ｻﾝいいね〜私は臣くん推しだからこの先が楽しみです。焦らずゆっくりと素敵な作品作ってくださいね、更新お待ちしております (2019年12月7日 20時) (レス) id: fc5b4935bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお | 作成日時：2019年11月26日 23時
