花歌

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「...っほんとにごめんなさい！」

「俺も寝ちゃったし、誰が悪いとかないっしょ。」

そう言って微笑む臣さん。
海外ドラマ繋がりでいろいろと話しているうちに２人とも寝ちゃって飛び起きたのが５分前。
彼は少し前に起きていたようで身支度が済んでいる様子。


「とりあえず俺行かなきゃだから鍵渡しとくね。今度会った時に返してくれればいいから。あとタクシー下で呼べるから。」


私が話す間もなく、じゃ行ってきます！と仕事へ行ってしまった。


「やらかした。」


１人残された部屋で呟く。
もう如何なる状況でも日本酒だけは飲まないと心に誓った。





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「それでなんにもなかったの？」

待ち合わせに遅れた理由を一通り話し終えるとにやにやしながら聞いてくるアサミ。
今日は新しく出来たお店にランチに行こうと約束していた。
いつも待ち合わせに遅れるのはアサミだから、遅れると連絡したときはかなりびっくりしていた。


「あるわけないでしょ。」

なーんだ。とつまらなさそうにアイスティーのストローをくるくるしている。

「...もうさ、楽になっていいんじゃないのかな。」

顔は下を向き、目線だけを上げ私の事を見つめて呟くように話す彼女に返す言葉が見つからなかった。
中学時代から付き合いで私の全てを知る唯一の存在。


「サトルとのことはさ「今日耳日曜日ー。」

アサミの話を遮り、自分の耳を塞ぐ。
ついでに目も閉じる。
いっぱい心配かけてるのは十分わかってるんだよ。
いつも傍で支えてくれてどれだけありがとうと言っても足りないくらい。


そーっと片目だけ開けると

「いつもでやってんのよ。」

と呆れるアサミの顔が見えて、ほっとした。





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