13 ページ13
...
会議が始まって2時間弱。
自己プロデュースに長けているメンバーの意見はとても素晴らしいものばかりだった。
「一旦、休憩します。」
佐藤さんの声でお疲れ〜と言いながらそれぞれに動き出す。
置いてあるお菓子をつまむ人、携帯を確認する人、ダンスをしだす人までいる。
違うことをしながらも声をかけあったりしていて本当に仲がいいんだなぁと感心する。
「佐藤さん、お手洗いってこのフロアにあります?」
小声で耳打ちするように確認すると、気が利かなくてすみません。と謝りながらトイレへの道順を教えてくれた。
お礼を言ってから会議室を出る。
それにしても広い。
会議室何個あるんだろう。
ふらふらしていると迷っちゃうな。
用を済ませてトイレを出ると少し先にいる人物が目に入った。
壁に寄りかかり視線は手元の携帯。
絵になるという言葉を具現化したようなその姿に見とれてしまった。
「あ、出てきた。」
彼が目線を上げ私の方を見ながらそう呟く。
もちろん私も彼を見ていたのだから自然に視線は交わるんだけど、なんとも言えない気恥ずかしさが私の頬を熱くする。
「お手洗いの前で女性を待ち伏せとはあまりいい趣味とはいえませんよ、登坂さん。」
精一杯、冷静を装い声をかける。
またあのこっちもつられちゃう笑い方で笑うと私の隣に並ぶように立つ。
2人で会議室へ向かって歩き出すとふと呟くような声が聞こえる。
「今度出る新曲聞いてくれますか?」
隣を見上げると彼は真っすぐ前を見ていて表情はよくわからないがなんとなく不安が混ざったような声色に私は大きく返事をした。
「もちろん!とっても楽しみです!」
あの時なんでトイレの前で待ってたの?って聞いてもあなたは笑ってごまかしてたよね。
もっとわかってあげれたら今とは違う未来があったのかな...
...
740人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あお(プロフ) - shireyさん» コメントありがとうございます。満足していただけるように頑張ります。 (2019年12月18日 11時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
shirey(プロフ) - 話が面白くて続きが楽しみです((o(*゚▽゚*)o))) (2019年12月17日 23時) (レス) id: eae9c1c1ca (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - みーやんさん» コメントありがとうございます。かなりゆっくりになると思いますが最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。 (2019年12月8日 0時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
みーやん(プロフ) - 初めまして!一気読みしてストーリーの純粋さが気に入って登録させて頂きました笑グイグイ行く岩田サンいいね〜私は臣くん推しだからこの先が楽しみです。焦らずゆっくりと素敵な作品作ってくださいね、更新お待ちしております (2019年12月7日 20時) (レス) id: fc5b4935bc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あお | 作成日時:2019年11月26日 23時