【募集企画】東方幻想記録物語 25巻 (ページ42)

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天使か悪魔か　リスティアページ42

「とりゃぁー！…あれ、貴方誰ですか？」

「君、いつもこんなのと一緒なの？生きづらそうだな」

「ところがどっこい、結構刺激的で楽しいわよ。私、安寧は好きだけど暇は嫌いなの」

狙い撃ちするが如く大弾を一発飛ばし、上空でけらけらと笑うヨハンナを軽く睨みつける。
異変の主犯という割には一発で殺されたりはしなかったのは正直拍子抜けだったが、だからといって目の前の少女は決して弱くもない。こちらには一切近づかず、音速の風深の攻撃を見切ったかのように避けている―間違いなく、只者では無い。

「―幻想入りして早々こんな奴に出会うなんて。今日の私は付いてないわね」

「いんや、それは違うわ。厄災たる私に出会ってしまったのなら…世界一の運を持ち合わせる奴だろうが、等しく大不幸だ」

「あーあー、世界が自分中心に回っていると思ってる典型的な馬鹿ね。見ていて楽しいっちゃ楽しいけど、それが安寧を邪魔してくる存在なら話は別だわ」

足に魔力を込めて宙に浮かぶヨハンナに肉薄し、高スピードで蹴りを放つ。しかしどんな技を使っているのか、矢張り攻撃は一切当たらない。

(…埒が明かないわね)

ここで諦めるわけにもいかないのだが、このまま戦っても一生終わらないのも事実だ。ここはそう、
事態を一気にひっくり返せるような―

ﾄﾞｫﾝ！

「！？」
「え、え、なんですか…うわ貴方誰です！？」

突如聞こえた爆発音。そして辺り一面に舞う土埃―その状況でわかるのは一つ、何かが来たという事だ。無論、それが敵か味方かは定かでは無いが―

(…ある種の掛けね)

舞い降りるのは天使か、悪魔か―

「―ねぇー、なんか魔力が集まってるところに来たけどこいつが主犯であってんの？」

「いや、この魔力的に絶対そうだろ。そんな事もわかんねぇのかよ腹正しい」

「何でそう、あんたはそんなに刺々しいのよ…哀しくなる…」

「こんなに早く主犯さんが見つかるなんてね！喜ばしいわ～！」

―否、感情だった。