【募集企画】東方幻想記録物語 25巻 (ページ39)

今日:33 hit、昨日:17 hit、合計:2,330 hit

突然の乱入者　久住三姉弟ページ39

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「五月蠅い」

冷夏姉に窘められてしまったが、今はそれどころではない。
姉達と僕は今、全身に風を受けながら、落下しているのだ。
それも猛スピードで。

「冷夏、何なのよこれ！私達さっきまで析夜の部屋にいたはずでしょ！？っていうかここ何処よ！」

夢姉がわめきながら、もう一人の姉に助けを求めているのだが、助けを求められている姉は考え込んでいるようで無反応だ。
集中モードに入ってしまった姉は止められない。

「はぁ...」

僕は反射的に溜息を吐いた。いや、大量の空気が口に入ってきているので、上手く吐けているかも分からない。この1週間は鳩にふんをかけられたり、お気に入りの機械が壊されたりと、ただでさえ酷い1週間だったのに、いきなり自分の部屋から何処か分からない上空に飛ばされるなんて...散々な1週間となってしまった。

「析夜っ！」

夢姉が肩を軽くたたいたので、下を見てみれば、2mくらい先には固い固い地面が。
どうやら、あれこれ考えるよりもこの状況から生き残る方法を考える方が先なようだ。

「冷夏姉っ！！」

とりあえず、この状況を作り出した、冷夏姉の名前を全力で呼ぶ。
しかし、反応はない。

「冷夏姉っ！！」

諦めずにもう一回名前を呼ぶ。
反応はない。
僕の部屋から上空に転移させるなんてもう本当に何考えてるんだ、この人は！

そうこうしている間に地面にぐんぐんと近づいている。

手をのばせば地面に届きそう、という程まで地面に近づいた瞬間、僕は初めて死を意識した。

死ぬ間際に、走馬灯なんてものはなくて。

その情報を教えてくれた友人に悪態をつきながら

僕は目を閉じた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

突然で申し訳ございませんが、誰でもよいので救出をお願いいたします。
冷夏というのはレイラの今世のお名前です。
レイラはまだ吸血鬼に変身していないので、翼も能力も殆ど使えない状態で落下しております。