凡人共に次ぐ ヨハンナ ページ28
「……で、私がやる事はこれだけでいいのか?いいんなら本当に滅茶苦茶やっちゃうけど、いいよね?ね?」
『―――――――――』
「はいはい、おーけい。りょーかいりょーかい。任せておきなさい。私、こういうことに関してはプロだもの」
『―――――――――』
「んー、んー、わかったわよ。精々ご自分の目的を達成できるよう奔走するこったな。それじゃまた」
アンティーク調の革張りの椅子に腰掛け、レトロチックな電話の受話器を片手に誰かと連絡を取り合う少女―――ヨハンナ・フォン・ノイマンは、通話を終えると電話機をサイドテーブルに戻し、立ち上がって伸びをする。ふいぃ、と唇の間から吐息交じりの声が漏れ、全身の筋肉から緊張がほぐれた感覚が伝わってくる。
「さぁてと、そんじゃひと暴れしておきますか、とね」
ヨハンナは見晴らしのいい山の上から幻想郷を見下ろしつつ、
―――妖怪の山が、土煙をあげながら崩壊を始める。
―――間欠泉が天にも昇らんばかりに熱水を噴き上げる。
―――空を黒雲が覆い、轟々と雨を降らしだす。
―――川の水位が急激に上昇し、氾濫をし始める。
それ以外の場所でも災害の見本市かのように轟音と黒煙が立ち上り、平穏そのものであった幻想郷は、一瞬にして地獄絵図とも言うべき様相を呈していた。
ヨハンナはサイドテーブルの電話から受話器を取り、芝居がかった口調で語りだす。その受話器に届いた声は、幻想郷の誰もが耳にすることができるほど響き渡っていた。
「
その時、幻想郷中のざわつきが山の上からでも見て取れた。頬を紅潮させて興奮状態のヨハンナは、更に言葉を紡ぐ。
「そして、君達凡人共が取るべき行動は二者択一なの。そのまま死の運命を受け入れるか、―――私を探し出し戦いを挑むことで反抗するか。どっちを取るかは君達の自由だぜ。でも、もし私に戦いを挑む者があれば……いずれその無謀を後悔しながら死ぬことになるわ!きゃはは!あはは、ぎゃはははは!」
高笑いをしながら、ヨハンナは受話器を置く。―――最高に興奮した、愉悦の表情を浮かべて。
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フウ(プロフ) - 続編作成いたしました!リンクはこちらから【https://uranai.nosv.org/u.php/novel/kazami13359/】 (7月26日 11時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 続編作ります! (7月26日 11時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
雨宮鳳花(プロフ) - 一挙二話更新させていただきます! (7月26日 9時) (レス) id: 460ec6fb5a (このIDを非表示/違反報告)
雨宮鳳花(プロフ) - では、更新させていただきます! (7月25日 22時) (レス) id: 460ec6fb5a (このIDを非表示/違反報告)
朝宮藍良@元十六夜紅葉(プロフ) - 雨宮鳳花さん» もしよければ続きお願いします! (7月25日 16時) (レス) id: 25ee4b6236 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ x他5人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2023年7月13日 13時