Xデーは近付く ヨハンナ・フォン・ノイマン ページ25
幻想郷盛夏の異変祭りが終結し、束の間の平穏と宴会に浮き足立つ幻想郷。しかしながら次の異変の足音は間違いなく迫ってきており、今この瞬間に幻想郷へと降り立った少女もまたそのひとつであった。
「きゃっほーい、ひさしぶりね幻想郷!この田舎臭い畦道も、閉塞的な雰囲気も、懐かし過ぎてお涙がちょちょぎれてしまいそうだぜ!」
梔子色が混じった瓶覗色のツインテールを風に揺らし、いっそ奇妙な程ハイテンションな、流れるように独り言に悪意をたっぷり盛り込んだその少女は、両腕を指揮者のようにひらひらと動かしながら幻想郷の片隅を行進する。そしてしばらくすると、はたと歩みを止めた。
「……へえ。これはこれは。なんとまあ面白いことが起きてたんだい幻想郷さんよ!えー私も参加したかったー!ねーえーずーるーいー!」
まるで駄々をこねる子供のように独り言を呟く……もとい、叫ぶ。少女はひとしきり地団駄を踏むと、満足したのか急に真顔に戻って、そして意地悪くニヤニヤ笑いを浮かべた。傍から見れば精神異常者か何かにしか見えなかったであろう。
「あ、そーぉうだ。この異変のタネになりそうなヒト……ちょいと手伝っちゃおう!なにせ私は悪役だもの。久しぶりの幻想郷で早速異変発生、これ大悪人として完璧!」
少女が更に歩いていくと、そこは妖怪の山の一角だったらしく、幻想郷が一望できた。少女は指をパチンと鳴らし、眼下にそびえる幻想郷に宣戦布告を叩きつける。右手にはどこからともなく現れたレトロチックな電話の受話器を持って。
「ハロー、御機嫌よう
『……要件を言いなさい』
「単刀直入に言うね。―――1ヶ月後、この幻想郷には異変が起こる。そしてその背後には私も居る。わかったよね、これはいつもの犯行予告だぜ、ご老体」
『……』
「精々束の間の平和を楽しみなさいな。1ヶ月ってえのは存外短いもんだ。ご老体の皆様方はそれどころじゃないかもしれないけどね。……連絡は以上。それじゃあまた、1ヶ月後に会おう!」
少女は電話機を投げ捨てると、ふわりと宙に浮いた。その異変の種に水をやり、肥料を与えるための下準備に行くのだ。
幻想郷の上空でニマニマ笑いを浮かべるその少女は、ヨハンナ・フォン・ノイマン。
―――
風原剣城の消失 "アニマ"→←理由ってそんなに大事かな めとりシオン
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フウ(プロフ) - 続編作成いたしました!リンクはこちらから【https://uranai.nosv.org/u.php/novel/kazami13359/】 (7月26日 11時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 続編作ります! (7月26日 11時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
雨宮鳳花(プロフ) - 一挙二話更新させていただきます! (7月26日 9時) (レス) id: 460ec6fb5a (このIDを非表示/違反報告)
雨宮鳳花(プロフ) - では、更新させていただきます! (7月25日 22時) (レス) id: 460ec6fb5a (このIDを非表示/違反報告)
朝宮藍良@元十六夜紅葉(プロフ) - 雨宮鳳花さん» もしよければ続きお願いします! (7月25日 16時) (レス) id: 25ee4b6236 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ x他5人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2023年7月13日 13時