環境は違えど双方思春期の若者だって話 神樂 ページ23
「宴会って楽しいものだろ?そういうのって、友達と行くものじゃないかい?」
「…は?」
手首を掴んだまま、照輝は平然と言ってのける。その瞳には曇り一つ無く、浮かぶ表情はさながら太陽の様だった。その反応があまりにも予想外で、思わず聞き返してしまう。
「あぁいや、まぁもしかしたら楽しくない宴会もあるかもしれないけど、ここ“楽園”なんだろ?だったらきっと楽しい筈…」
「あ、いや別にそこが気になったわけじゃないから」
「え?じゃあどこが…」
「いや、そりゃあ勿論…」
そこまで言って思わず黙り込んでしまう。改めて気になった点を言おうとするとどうしようもなく恥ずかしくて、相手が聞いてくるまで何も言えなかった。
「?急に黙り込んでどうしたんだ?」
「…い、いや、何でも無いわよ?…ただ、あまりにもあんたが当たり前の様に私の事友達って言うもんだから」
「え?違うのか…?」
「ちょ、いや、違うわよ!?あいや、違うってのは友達じゃないって意味じゃなくて…とにかく!別に私はあんたに友達と呼ばれようが別に良いんだけど…何で?」
「…え?そんなの…」
一番の疑問はそこだった。
確かに自分はここ数時間照輝と行動していたし、顔見知りくらいの関係ではあるだろう。だが、友達と言えるほど密接な関係だとは全く思っていなかった。
別に、相手とそこまで仲が良い訳でもないだとかそういう事を思っている訳では無い。ただ、照輝が自分を友達だと言える理由がどうも理解出来なかったのだ。
「―話してて楽しかったら、それはもう友達だろ?神樂と話してると楽しいからな!」
「…」
目の前の太陽は、さも当然のように言ってのける。
その言葉が、一人の少女の心を照らすものになっているなど知りもしないまま。
その言葉を受けて、思わず目を見開いたまま固まってしまう。
彼女の中の時が動き出したのは、照輝に顔を覗き込まれてからだった。
「!?どうしたんだ、熱でもあるのか…?顔真っ赤だぞ!」
「うっさいバカ!わかったから早く宴会行くわよ!」
「…?よくわかんないけど元気ならそれで良いや!」
実際、神樂の顔は赤くなっていた。
そう、育った環境は違えど―二人は思春期の若者だ。
「いやー、お腹空いちゃったな!美味しいものあるかな!?」
「そりゃ、宴会だしあるでしょ。ま、あんたの世界の近代的な洋食とかは無いかもしれないけど」
ちなみに、二人の様子を見ていたオタク気質な神達が神界で大盛り上がりしていた事は神樂ですら知らない。
理由ってそんなに大事かな めとりシオン→←参加してなかった人達 照輝
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フウ(プロフ) - 続編作成いたしました!リンクはこちらから【https://uranai.nosv.org/u.php/novel/kazami13359/】 (7月26日 11時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 続編作ります! (7月26日 11時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
雨宮鳳花(プロフ) - 一挙二話更新させていただきます! (7月26日 9時) (レス) id: 460ec6fb5a (このIDを非表示/違反報告)
雨宮鳳花(プロフ) - では、更新させていただきます! (7月25日 22時) (レス) id: 460ec6fb5a (このIDを非表示/違反報告)
朝宮藍良@元十六夜紅葉(プロフ) - 雨宮鳳花さん» もしよければ続きお願いします! (7月25日 16時) (レス) id: 25ee4b6236 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ x他5人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2023年7月13日 13時