マネージャーなんて務まりません

岩泉さん ページ47

部活が終わり歩いてると

見たことある小さいやつ

見間違うわけがねぇ。


アイツだ。


名前を呼んでも返事がない


喋れないから、当たり前かも知れんが


振り向くことすらしねぇ


無視なのかよ。


そう思い、腹がって

肩を掴んだ


反射的に振り向いた顔


その目は真っ赤に晴れていて


泣いたんだな。


ってわかるないなや


おれの服を引っ張って

おれの胸で泣いている



わからんがとりあえず、俺はAの頭を撫でた



及川がいなくてよかった


アイツは、今日デートだからと先に帰ったからな。

クソ川がリア充なのは

くっそ、腹立つけど

コイツを今独り占めできると思うと

少し気分が良かった




泣いているAの手を引き

公園のベンチに腰掛けさせる


そして、自販機で買ったジュースを渡す


Aは俯いたまま


「何があったか、しらねぇけど、泣くほど後悔してんじゃねぇのか？」

そう話しかけてみた

しかし、返答はない


缶ジュースを持ってには

ポタポタと涙の滴だけが落ちる


「なあ、俺はお前じゃない。お前から話してくれなきゃ、理解もできない。話してくれなきゃアドバイスもできねぇ。」

そういうと、

震えながらペンを持つ

“バレー部の皆さんに酷いことをしてしまいました。お手伝いという、ポジションに甘えて、いざ、他のマネが来た途端自信がなくなって、逃げ出しました。自分の居場所がとられたようで。“

“みんなが成長している烏野バレー部に…成長できない私がいては足手まとい。わかっているのに、成長する勇気もない。前に進みたい。そう思っているのに前に進む努力も勇気もない。“

そう、伝えたのだ

「確かにな。前に進むのって勇気があると思うし、努力もしないといけねぇ。」

「だがよ？1人じゃ何もできねぇんだよ。自分で前に出る勇気がねぇなら俺が背中を叩いて出してやる。及川みてーに、頭突きがなきゃそれもやってやる」

「だから、1人だって決めつけんじゃねぇ」


その言葉を言われた時の岩ちゃんの表情は、眩しくて
カッコ良かった

徹ちゃん。こんな素敵な人が隣にいたんだね

そりゃ、強くもなるよね。

私も、変わらないといけないよね




“岩ちゃん、ありがとう。“

泣きそうにら顔を必死に笑顔に変えた

その行動に戸惑っていた岩ちゃんだけど

わたしの両頬をつかみ

「お前の笑顔が俺たちの起動力だ」

なんて言ってくれた

本当…私ここに来て良かった



前を向こう


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