■マイナス10度＊ ページ1
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「‥ヘタクソ。」
所持金をかき集めて購入した使い方もよく分からない電子ピアノの鍵盤を叩いて、歌詞もいまいち覚えてないよく知らない流行りの歌手の歌を口ずさむ私に、
真正面から遠慮なく放ったその言葉の主は、帽子を深く被っていて顔ははっきり見えなかったけど‥右の口角がきゅっと上がって、その口元がなんだか可愛らしい印象だった。
気温はマイナス10度。
震えるような寒さのなか、なんで私がこんなに頑張ってるかって言うと‥
話は6時間前にさかのぼる。
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「─そんなぁ。つけ払いって、できませんか？」
「だめ。ただでさえあなた、隣人から苦情きてるんだから。ピアノだの歌声だの、夜になるとうるさいって。」
大家さんが訪ねてきたかと思えば、この部屋から立ち退いて欲しいとのことだった。
玄関先で口論になって15分が過ぎた。
「でもでも。 23歳のか弱い女の子を追い出して、良心が痛みませんか？」
「つけ入ろうとしてもムダ。実家に帰ればいいでしょ。それがイヤならバイトしてコツコツ貯めるか、そんなに歌うのが好きなんだったら路上ライブでもして歌手デビューするか。
‥いくらでも道はあるでしょう。とにかくあなただけを特別扱いになんてできません。」
─思いがけない大家さんからの助言(皮肉だとは気づいていない)が心に響いた。
路上ライブ‥考えたことなかった。
ただ歌うのが楽しくて、気持ち良くて、だから漠然と歌手になりたいなんて思っていたけど‥そういうアピールの方法もあるんだ。
これからのことなんて考えずに弘大で始めることになった路上ライブ。
ひとり暮らししていた家具や荷物はすべて実家に送られていて、気づいたら立ち退きの手続きが進んでいた。
これでデビューできなかったら私、帰る家がないんだ。
とにかく今夜が勝負なんだ。
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マリナ(プロフ) - ぎゅたんさん» コメントありがとうございます♪ちょっとおバカで、思い立ったら突っ走っちゃうタイプのヒロインですが、可愛がって頂けると嬉しいです。笑 なんだかんだでヒロインの世話を焼いてくれるウニョク、優しいですよね〜。お洒落なウニョクにコーディネートして欲しいです^ ^ (2020年12月25日 1時) (
レス) id: b2c44a7226 (このIDを非表示/違反報告)
ぎゅたん - 自分とは性格が違う主ちゃんなので、主ちゃんの行動にいつもハラハラドキドキですが、ヒョクちゃんにコーディネートしてもらえるなんて！夢のようですね〜笑(*´-`) ヒョクちゃん優しすぎますねえ。。 (2020年12月24日 20時) (レス) id: c7714a47aa (このIDを非表示/違反報告)
マリナ(プロフ) - ぎゅたんさん» コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )いつも甘い感じばかりだったので、たまには違うキュヒョンさんを書いてみたくなってこのお話を作りました♪ゆっくり更新になってしまいますが、続きもお楽しみ下さい^ ^ (2020年11月5日 22時) (レス) id: b2c44a7226 (このIDを非表示/違反報告)
ぎゅたん - 初めてこの話を読ませていただきました！(^^) 面白いです！ すごく続きが気になります…笑 主ちゃん人生逆転のチャンスの可能性あり？！笑 更新ありがとうございます！ (2020年11月5日 20時) (レス) id: 7d3bccf3b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2020年10月23日 0時
