─今日も綺麗だ ページ10
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YS「Aヌナ。待たせてゴメン。」
とある平日の昼下がり、地下にあるアンティークカフェで待ち合わせ。少し早めに来てくれていたヌナは、オレに気づくとスマホをテーブルに置いてゆっくりこちらを振り返った。
「‥ううん。そんなに待ってない。」
Aヌナは女性らしい上品なピンク色のカーディガンを着ていて、そんなピンク色によく映える、艶のある黒髪も改めて素敵だと思った。
今日も綺麗だ‥。
ヌナを一目見ると、それしか考えられなくなるほどに、視線がくぎ付けになってしまう。
照れくさくて口に出す事なんてできず心の中に留めた後、少しぎこちない距離感で向かい合って座って‥注文してくれていたアイスアメリカーノを口につける。
何度かの食事会を重ねてようやく二人きりになれたのはいいけど、ちゃんと話すのは初めてだから‥何か変な感じ。
‥って言っても、リョウクとウンジヌナが気を利かせて二人きりになるように仕組んでくれただけだけど。でも、断ることだってできたのに、Aヌナは来てくれた。
──。
───。
YS「─そういえばこの前さ、リョウクが‥」
心地よいジャズの音色が店内から聞こえてくる中、必死に話題を作るオレ‥と、
「‥ふぅん、そうなんだ。」
淡々と相槌を打つだけの‥Aヌナ。
4人で話しているときは次第に笑顔が増えていってたヌナだけど、今日は全然笑ってくれない。
‥オレ、嫌われてる？
YS「オレの話退屈だった？よく弟たちにつまらないって文句言われるんだ。」
「そんなことない。私は楽しいよ？」
Aヌナは誤解だというように、少し慌てた様子で首を横に振った。
まさか今の様子でヌナの口から"楽しい"って言葉が出てくるとは思わなかった。もしその言葉が本当なら、どれだけポーカーフェイスなんだろう。
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作成日時：2023年5月28日 3時
