─食欲増進 ページ9
.
RW「あれ、ヒョン。炭水化物そんなに食べて平気？」
こちらを覗き込んできたリョウクが心配するのは、オレがいつも夕食は食べないように管理しているから‥ましてや炭水化物なんて日頃食べないからだろう。
だってAヌナがこんなに美味しそうに食べるから。
‥気づけばしっかりと一食分完食していた。‥明日調整するから大丈夫。
脳内で明日のスケジュールを浮かべながら、楽しい食事会は終了した。
リョウクとウンジヌナがわざとらしく、「用事を思い出した」なんて口々に言って、Aヌナとオレが二人きりになれるように仕組んでくれた。
「私。‥家こっちだから。」
少し並んで歩いていると、突然立ち止まりやや距離をとってそう言った。
‥何？警戒されてる？
YS「や、さすがに女性をこんな夜道一人で帰らせる訳ないから‥。」
「いつもの帰り道だから平気。」
なんてあっさりとした女性なんだろう。でもこんなので引き下がれる訳がない。
YS「でもオレも本当に、こっちの道だから。」
「‥あぁ、そう」
ならいいけど‥と、納得したように歩きだすヌナ。
ここまで一線を引かれてしまうと、これ以上どうやって距離を詰めればいいのか分からない。
それから何度か4人で集まっては、他愛ない話をリョウクとウンジヌナがしてくれて。
オレはいつものように、Aヌナが美味しそうにご飯を食べる姿を眺めていた─。
.
KH「─イェソンヒョン、ちょっと太った？」
ユニットで出演する音楽番組の楽屋で、スマホゲームをしていたキュヒョンが鏡越しにちらりとこちらを見て、そう言った。
YS「‥え？オレって太ってる？」
正直自分では気付かなかった。食事管理を徹底していたこのオレが、そんなミスをするはずがない‥。
来月のジャケット写真撮影までに痩せないといけない、と脳内で慌ててスケジュールを組み直す。
RW「ヒョンはご飯が美味しいんだよね？」
キュヒョンのそのまた隣で、ケータリングの弁当を美味しそうに食べていたリョウクが口を開いた。
今くらいが健康的で男性らしくてちょうどいいと、近くにいた女性スタッフが続けてそう言った。
最近Aヌナと会うために夕食を食べるようになって。ヌナがあまりにも美味しそうに食べるもんだから、つられてたくさん食べるようになっていたからだろう。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 27人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2023年5月28日 3時
