Pink Signal【YS】 (ページ7)

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YS過去─ピンクのバラ1本ページ7

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グループのアンコールコンサートも終盤に差し掛かってきた頃。
いつものように自分のボードを掲げているファンの子の顔を見ようと、目を凝らして会場を見渡した時だった。

最前列に座っていた艶のある黒髪の女性にふと目をひかれて、彼女と目が合った瞬間‥まるで魔法にかけられたように、世界がピンク色に見えた。

演出としてバスケットいっぱいにカラフルなバラの花束を入れて、舞台袖から登場するトゥギヒョン。
彼女にこの気持ちを伝えなきゃいけないと衝動的に思って、おもむろにヒョンが抱えていたバスケットからピンク色のバラを１本抜き取った。
ヒョンはオレの勝手な行動に少し驚いた表情をしたけど、止めることはなかった。

ステージから降りて行って‥膝をついて、彼女を見つめてバラを差し出すと、とても驚いた表情をしてから困ったように、隣に座っていた女性に目線を投げかけた。

そうすると周りから次々に黄色い声が上がったかと思えば、オレの勝手な行動をフォローするべく他のメンバーたちも同じようにステージから降りてファンの子に花をプレゼントしていた。

これは少し大胆過ぎたかも知れない。‥あとからヒョンに叱られそうだ‥。
なんて思いながらも、頭の中は彼女のことでいっぱいだった。

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公演が終わって楽屋に戻って、衣装も着替えずに慌てて裏口の通路に走った。

YS「あの‥っ！」
はぁはぁと息を荒げながら、その綺麗な艶のある黒髪の女性の後ろ姿に声をかけた。

「あ、イェソン。」
すると隣から聞き馴染みのある声が聞こえた。

‥グループのメイク担当で、美人で有名の‥ウンジヌナだった。

EJ「さっき、Aのことばっかり見てて、隣にいたわたしのこと気づいてなかったでしょう？」
そう言ってからかうようにオレを指さした。

YS「‥A、さん？」
EJ「うん、この子、私の親友のA。」
ウンジヌナがそう言うと、その黒髪の女性はまた困った様子でヌナにじっと視線を送る。

EJ"一目惚れ？"
そう言ってウンジヌナがオレに耳打ちした。
誰がどう見ても、オレの行動はまさしく"一目惚れ"だったんだろう─。

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