─やっぱり好き ページ5
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ソアに名前を呼ばれた彼女は、言葉を返すこともなく、式場の方へ足早に去って行ってしまった。
SA「イェソンさん、今言ったこと本気なんです。私と、お付き合いしませんか？」
じっとオレを見つめてくるソア。
ソアはオレより8コくらい年下のメイク担当の女の子。
明るくて元気で愛嬌があって、誰とでもすぐ打ち解けられる。
そんなソアがオレを好きでいてくれてたなんて、まったく知らなかった。
それでもオレは─
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「Aヌナ‥っ！！」
青みがかったピンク色が綺麗な光沢のあるドレスをまとった、ブロンドのストレートロングヘア。プールの水面と同じように、ライトに照らされてキラキラしてる。
その長い髪を揺らして、まるでオレから逃げるように足早に歩く彼女の細い腕を、力一杯掴んだ。
「‥痛い。」
立ち止まったかと思えば一瞬間をおいて、ものすごいキゲンのわるい様子で振り返って、勢いよくこちらを睨みつける。
透明感のある透き通るような白い肌
色素が薄めのブラウンの瞳
くりんと綺麗にカールされた束間のあるまつ毛
整った平行の眉毛
どのパーツも見惚れてしまうくらい綺麗だった。
‥やっぱり好きだ。Aヌナ。
上から下まで、まじまじと見つめたままだったオレを、再び睨みつける。
「‥だから、なんなのよ。」
これでニッコリ笑ってくれたら完璧なんだけど。
Aヌナには愛嬌だけが足りない。
‥いや、オレに対してだけかもだけど。
YS「や、だから、さっきのは誤解だから。」
「誤解も何も、私には一ミリも関係ないことだけど？」
ふん、と鼻を鳴らしてふいっと顔を背けるヌナ。
「ていうか、そのブレスレット。」
そのまま去って行くのかと思えば、ぴたりと立ち止まって背を向けたまま話を続けた。
「‥まだつけてるなんてありえない。」
YS「だって思い出だから。‥ヌナはどうしたの？」
「捨てたに決まってるじゃない。海に放り投げて来たわよ。」
あぁ、ヌナのことだから本当にそうしてそうだなぁ‥。それ以上真実を知りたくなくて、深堀することを諦めた。
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─オレとAヌナは3年前に付き合っていた。
ヌナはあの頃と何も変わらない。ただひとつだけを除いては。
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作成日時：2023年5月28日 3時
