─空虚な日々 ページ3
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KH「あ〜いい式だった。」
EH「あの構成作家まじでうらやましいわ〜」
式が終わり披露宴会場に移動中。
弟たちが楽しそうに話しているなか、挙式を見てひとり物思いに
SA「イェソンさん？披露宴はこっちですよ。美味しいもの食べましょ。」
EH「だめだめ、イェソンヒョンは基本何も食べないから〜。」
いつもの調子でからかってくるヒョクチェの言葉にも反応する余裕もなく、一人になりたくてふらりと外まで足を運んだ。
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─人生で一度だけ、結婚を考えたことがあった。
今はもう会うこともない彼女と、確かに愛し合っていたんだ。
式場のガーデンにあるプールのふちに座り、キラキラとした水面を虚ろな目で眺めていた。
YS「‥はぁ。」
オレもいつまでも引きずってないで、いい加減前に進まなきゃなんだけど‥。
あのときから"空虚"がオレの心を支配している。
おもむろに靴を脱いで、素足を水に浸けてみる。
YS「‥う、冷た‥。」
いくら天気が良いからといって、5月のプールはやっぱりまだ冷たい。
それでもちゃぷちゃぷと浸けたまま、ひたすら水の音を聞いていた。
SA「あ！こんなところに居た〜！」
明るい声で近寄ってきたのはソアだった。
どうしてわざわざ披露宴を抜け出してここまできたんだろう。
YS「美味しいものがあるのに。食べてこないの？」
SA「イェソンさんが、ご飯食べないって聞いたから。ちゃんと食べなきゃダメですよ。」
そう言って、同じように並んで腰かけるソア。
YS「食べないわけじゃないよ、オレはちゃんと食事管理してるだけ。」
「さすがアイドル様。」
ソアはこの短時間でヒョクチェがうつったのか、少しからかうようにそう言った。
手で水をすくっては溢して、すくっては溢して、何度もその動作を続けるソアを横目で眺めていた。
この子は何がしたいんだろう？
SA「‥ね、今、泣いてませんでした？」
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作成日時：2023年5月28日 3時
