─特別な色 ページ2
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マネージャーが遅れてやってきて、いよいよ会場に入る。
近づくたびに緊張感が増していく。
KH「さっきから気になってたんだけどヒョンの、何その色。」
EH「Pink Magic？」
YS「センスあるだろ？」
黒いスーツのジャケットのポケットからは、ピンク色のポケットチーフ。それを目ざとく見つけた弟たちは、口々にコメントをする。
何でそんなに目立つ色にするのかって？
それはオレにとっては特別な色だから。
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─今日は、仕事でお世話になっているメイク担当の女性と、以前グループでレギュラー出演していた番組構成作家の結婚式だった。
よく知っている二人が結婚すると聞いたときは、正直驚いた。
メイク担当の彼女は、オレたちメンバーの中でも美人で有名だった。
構成作家は、あまり冴えないような見た目なのにもかかわらず、こんな美人を捕まえたなんて‥。
YS「‥人生って何が起こるか分からないもんだよなぁ。」
式場の幸せそうな二人の写真を眺めながら、しみじみとそうつぶやいた。
EH「言っとくけど、ヒョンは夢見過ぎなんだよ。」
KH「もっと現実的に考えなきゃ‥」
YS「あぁ、もう分かった分かった。」
弟たちの小言は軽くあしらって、周りの参列者を見渡す。
「何きょろきょろしてるんですか？」
YS「わ、ビックリした！」
ちゃんと前を見ていなかったからか、正面に立ち止まっていた女性にぶつかってしまった。
「あはは、イェソンさん、ちゃんと前見て歩かないと〜」
EH「あ、ソアも来てたんだ！こっち座りなよ。」
KH「ちょっと、ヒョン！」
自分たちの席を確保したあと、余ったスペースを指差してヒョクチェは明るく手招きした。
その提案にキュヒョンは怪訝な表情をした。
「じゃあお言葉に甘えて、失礼しま〜す。」
キュヒョンの声が聞こえていなかったのか、ためらいもなくヒョクチェの差したオレの隣の席に座った。
黒いウェーブヘア―の明るい性格のこの子は、ソア。
胸元がレースになった、濃いブルーのドレスを着ていて。
この結婚式の新婦の後輩で、グループのメイクもたまに担当しているから日頃から面識がある子だった。
彼女が来てからヒョクチェはニヤニヤとこちらを見てきて、何なのかと聞いてみても何も話さなかった。
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作成日時：2023年5月28日 3時
