■いつもの悪戯心 -KH- ページ29
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RW「キュヒョン、どこ行くのー?」
KH「すぐ戻る!」
俺達は今東京‥いや、埼玉まで来ている。
今日から金土日の三日間、ここ埼玉でファンミーティングが行われる。
ゲーム仲間の日本人が、イベントは見られないけど挨拶だけでも‥と俺に連絡をくれた。
開演時間も迫ってるギリギリの中だけど、せっかく来てくれてるので挨拶だけでもしようと、衣装を着たまま友人の元へ向かう。
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『キョ、ヒョ‥、
‥キュヒョンさんのマフラータオル、売り切れでーす!!!』
一部ファンからそんなぁ〜と悲鳴が上がる。
友人と少し話し差し入れを受け取り、準備もあるのでお礼と軽い抱擁を済ませた俺は、楽屋に戻る為に足早に移動していたところ。
誰だ今、人の名前を噛んだスタッフは‥!
大きい声で盛大に自分の名前を噛まれたので、ちょっと面白かった。
俺はファン達の人混みに見つからないよう、死角になった天井近くにある通路を通っていた。
立ち止まって手すりに頬杖をついて、自分のマフラータオルがどうしても欲しかったファン達を眺める。
俺がここから見てるのに、誰も気付いてない。
まさかマフラータオルにプリントされている本人が、こんな所から自分達を見てるなんて思いもしないだろうな。
ふっと余裕の笑みを浮かべて、にやにやと右端から左端までファン達を見渡す。
俺は自分のファンを、本人達にバレない場所からこっそりと眺めるのが好きだった。
ファン達を全て見終わると次は、さっき盛大に噛んだスタッフの顔を見てやろうと思った。
俺の中の悪魔が、悪戯に探したがる。
KH「え‥?」
するとあり得ない幻覚が見えた。
ここは埼玉。
居る筈がない。
せっかく思いになりかけていたのに。
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作成日時:2020年5月20日 19時