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怪獣から遮るように私の目の前に立つ、
その見慣れた背中。
『あ……たいちょ……
ゲホッゲホッ…！』
「……、」
激しく咳き込むと大量の血が地面に落ちた。
……え？この血私の口から出たの？
しかも上手く喋れない。
するといつもと違う私の様子に気が付いたのか、
一瞬にして表情を曇らせた隊長。
「お前防衛スーツはどうした」
『……ッ』
わざわざ膝をついて、心配そうに尋ねてくる。
私ごときにそんな膝をつくなんてこと
しなくてもいいのに…。
咳が止まらず、そんな彼の質問に上手く答えられない。
とりあえず首を振るもそれすらもままならないのだ。
余獣たちがそんな私たちの元へと突進してくる。
…改めて見ると、何このすごい数。
「…ちょっと待ってろ」
『…ぁ』
隊長が目の前から消えたかと思えば
辺りの余獣たちの動きが一斉に止まった。
そして、一瞬にして崩れ落ちていく。
「後の処理は応援部隊に任せて一旦帰ろう」
動けない私に近づいてくると、まるで割れ物を扱うかのように隊長は私を抱き上げた。
ふわっと香る隊長の香り。
…って私変態かよ。
ただ、この手に触れられると酷く安心して
だんだんと視界が薄れていく。
…あー、瞼が重い。
「おい、意識を保て…！」
隊長の周りの景色がすごい速さで移動してる。
……いや、隊長が移動してるのか。足速っ。
「A…！」
隊長がなにか言ってるけど、
何だかもう、目を開けるのが億劫で。
私を抱くその体に身を任せるように
ゆっくりと自身の体の力が抜けていく。
＿＿＿＿＿
＿＿
「クソ…ッ」
だらりと力なく垂れ下がった腕。
その腕も恐らく折れているのだろう。
…腕だけではなく、
身体中が大きくダメージを受けている。
それはそうだろう。
あれだけの怪獣と生身で戦っていたのだから。
…しかも武器も無く。
こいつでなければ死んでいたはず。
『う……ッ』
振動で体が痛むのか、たまに呻き声が聞こえてくる。
…だが今はきっと意識がない。
本獣は大したこと無かったが、余獣の数が多すぎた。
そして更に余獣一体一体のレベルが高かった。
そんな怪獣たちを、武器もなく生身で相手していたのか。ボクが到着した時点で死んでいる余獣の数も尋常じゃない。
「…お前はあまりにも強いが
それ故に自分に無頓着すぎる」
それがお前の欠点でもあり
ボクの弱点でもある
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れーと - 最高です。頑張ってください。 (11月8日 21時) (
レス) @page6 id: 18437b55a7 (このIDを非表示/違反報告)
サク - 更新停止…頑張ってください!!次の更新楽しみにしてます!! (2022年3月15日 7時) (レス) @page6 id: 49ff1671c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミルクコーヒー | 作成日時：2022年1月25日 23時
