【マサイ】コーヒーの香りに包まれて2【Fischer's】

またね？ ページ31

｢ごちそーさまでしたー！｣

｢おなかいっぱいー｣

2人がそう言いながらお店の扉を開ける。
私はそれに答えるように笑顔で

｢ありがとうございました！｣

と言う。

｢ごちそーさまです｣

少し遅れてマサイくんが言ってくれたのでマサイくんに向けて同じことを言う。
また次会えるかわからないからすごく寂しいけどマサイくんも忙しいんだよな。しょうがない。と言い聞かせて笑顔で送り出そうとした。



｢2人とも悪いちょっと先行っててくんね｣



扉の前でシルクとんだほさんにマサイくんが声をかける。2人は深く聞くわけでも、茶化すわけでもなくただ一言、はいよー！と返すだけだった。
扉が閉まってお店の奥からお兄ちゃんが食器を洗ってる音だけが響いてる。


｢A。｣


敬語無しが会っていなくても電話をよくしてたおかげでだいぶ身についてて少し嬉しい。ただ急に呼ばれるとまだ恥ずかしくてマサイくんの顔を見れない。でも年上の意地があるのか私は余裕そうな声で返事をする。

｢なーに？｣

｢最近予定合わなくてずっと会えてなくてごめんね｣

｢んーん、忙しいのわかってるし、私もお店が忙しいし、、｣

ここで少し寂しいけど大丈夫だよとか言えば可愛いのかな、なんて思いながら素直に寂しいって言えない自分に嫌気がさす。



next…

約束→←ケーキ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す