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ビールをカゴに入れ、少し名残惜しいけど
その場を離れた。
意味もなく用もないラーメンを見たり
雑誌コーナーで時間潰したり
最後はデザートコーナーに行き着いた。
久しぶりにケーキ食べるか、
独り身の俺には寂しすぎる2ピース入りのショートケーキをカゴに入れ、
レジに向かった。
会計を終え、コンビニから出ると
『っ、あのっ!』
あの可愛い子が俺を追いかけてきていた。
『ごめんなさい、私もちょうど上がりのタイミングで同じショートケーキ買って食べようとしたんですけど賞味期限切れで。もしかしたら、と思って』
「わざわざ言いに追いかけてきてくれたんですか?」
『賞味期限切れの提供は絶対ダメ!と言われてるので』
確認してみると、ショートケーキは昨日の日付。
ごめんなさいって深々と頭を下げる彼女だったけど、
こうやってまた話せる機会があったんだし
俺は嬉しいけどって、頬の緩みが止まらなかった。
『...それで代わりと言っちゃなんですけど、モンブランだけあったので良かったら』
そう差し出されたのは、2ピースのモンブラン。
「あ、ありがと。...でもこれ一人じゃ食えねえな」
キョトンとした顔で俺を見つめる彼女。
「あなたも、ショートケーキ食べらんなくなったんだよね?」
『あ、まぁ、はい。』
「このモンブラン一緒に食べない?」
こういうとき、肉食ではない俺が
一世一代の大勝負に出た。
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作者名:ピヨ | 作成日時:2021年7月15日 2時