検索窓
今日:31 hit、昨日:5 hit、合計:31,395 hit

87. ページ37

.





「隆くん、良かったらお風呂入ってきて」






少し時間がかかるのを待たせるのが申し訳なくて


バスタオルを渡す。







西「一緒に入る?」





バスタオルを受け取りながら隆くんは

ニヤッと笑う。






「入らないよ!」





けたけた笑いながらお風呂へ向かった。











野菜を切っているとフワッと後ろから包み込まれる。




西「いい匂い」






上半身裸の隆くんがギュッと抱きついてくるから


一気に心拍数が上がる。








「隆くん、服着て。」




内心ドキドキしてるのに平常心を装うわたし。







西「だってシャツもう1回着るのやだもん。」





そうか、着替える服がないのか。









温かい隆くんの体温を感じながら

どうしよう、って一旦手が止まる。






そんな私をクルッと自分の方へ向けて


正面から抱きしめる。






「ねぇ、やっぱ体温高くない?」





さっきから感じる少し高めの体温。








それに相まって鼻声気味の彼。


気のせいじゃない気がしてきた。





西「うーん、なんかヤバいかも。」






隆くんは項垂れるように私の肩に顔を預ける。








「とりあえず、ベッドに横になって。」




寝室の小さなシングルベッドに隆くんを寝かせる。





上半身裸で辛そうに項垂れる姿に


不覚にもかっこいいと思ってしまう。








クローゼットの中身を引っ掻き回し、


持ってる中でも1番おおきなスウェットを隆くんに着せる。








肩幅はあるものの、華奢な隆くんに

すっぽりと被せたスウェットはなんとか入った。







西「A、」







体温計を取りに行こうと立ち上がると弱々しく

隆くんに引き止められる。






弱り果てた彼はうるうるとした目でこちらを見ていた。





西「どこいくの、」





さっきまで舞台で輝いてた彼とは思えず、


ギャップにどうも愛しさが込み上げる。






「体温計取ってくるね。」



そう言って明るいサラサラな髪を撫でた。







体温計が示す体温は38.8℃





「いつからしんどかったの?」




西「わかんない、ほんと、風呂上がってから。」






私の手をスリスリしながら答える隆くん。





西「久々のテレビでちょっと緊張してた。




でも、Aと2人になったらなんか緊張溶けて…」







こんな時なのに愛しさで爆発しそうになる。





88.→←86.



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.1/10 (54 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
261人がお気に入り
設定タグ:西島隆弘 , Nissy , AAA
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ma2894am | 作成日時:2021年11月3日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。