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西｢それはどうもありがとうだなー｣
｢それとね、自分がすごく惨めになっちゃったの。｣
西｢なんで？｣
｢あんなに、かっこよくてキラキラしてる隆くんに
釣り合わないって思っちゃったの。｣
西｢そんなこと、｣
｢そんな事ないって思いたい。
思えるようになるまで努力したいの。
Nissyの世界に、少しでも自分が入れるようになりたい｣
真っ直ぐ隆くんの目を見つめてそう言った。
西｢うん、ありがとう。
Aがそこまで言ってくれるのほんとに嬉しいよ。｣
隆くんも優しく私を見つめ返す。
西｢俺の作品にAの世界観が追加されたら…
めっちゃ楽しいんだろうなぁ、｣
ソファの背もたれに深く腰掛けてニコニコして
天を仰いでいる。
西｢うん、おれもやる気出てきたわ。｣
｢だめ、隆くんは今日はしっかり休んで。｣
立ち上がろうとする隆くんを制止する。
西｢えー、なんでよー。｣
もう一度ソファに押し戻される隆くんは不満気味。
｢隆くんが進んだら距離が縮まらない。｣
私がそういうと隆くんは私の頭を優しく撫でる。
西｢俺とAの距離は、そんなに遠い？｣
顔は穏やかなのに寂しそうな声を出す。
西｢俺はAとの距離感感じたことないよ？｣
｢いや、そうじゃなくて…｣
確かに、私の今の言い方じゃまるで芸能人と一般人で
距離を感じる言い方だった。
西｢うん、分かってるよ。
わかってるけど、そんな風に思って欲しくないよ？｣
頬を優しく撫でる隆くんの指先は冷たい。
｢ごめん、ごめんね、でもほんとにそうじゃないの。｣
西｢うん？｣
｢私、めちゃくちゃ性格悪いんだって思ったの。｣
西｢どうしたの？｣
｢ファンがいてのNissyなのに、｣
あれ、涙が止まらない。
西｢え、ちょっ、ほんとにどした？｣
ポロポロ涙を零す私に戸惑う隆くん。
｢私の隆くんなのにって思っちゃったの。｣
．
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作者名：ma2894am | 作成日時：2021年11月3日 22時
