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途中までは、自分のことかなって自惚れてしまった。
だけど違う男を選んで、の所で違うと気づく。
「分からない、です。」
ほんとに誰の話なのか。
宇野さん?
西「え、嘘でしょ」
西島さんは困ったように笑った。
頭がはてなマークの私の鼻をチョン、と触った。
西「君のことなんだけど。」
そう言われてさらに訳が分からなくなる。
「え、ちょ、ちょっと待ってください。
だって他の男って…」
西「真司郎でしょ?」
いや、確かに告白されたけど真司郎くんとは
付き合ってないし。
「付き合ってない、です。」
私がそう言うと次は西島さんがフリーズした。
波の音だけが2人の間を流れる。
西「え、待って。
付き合ってるんでしょ?真司郎と。」
「いや、付き合ってないです。」
西「だって、これ。」
そう言っておもむろに取り出したスマホ。
與 真司郎Aに告白した。
画面には真司郎くんとのトーク画面。
西「あの日でしょ?」
西島さんの前で助手席に乗った日。
「そうですけど…」
西「でしょ?」
「告白はされました。
だけど、断りました。」
私がそう言うと西島さんは頭をわしゃわしゃと掻いた。
西「待って、俺てっきり付き合ったんだと…」
「断りました。
好きな人がいるからごめんなさいって。」
西「すきなひと?」
「西島さんの事が好きだから。」
私がそう言うと西島さんの動きが止まった。
「西島さんに距離を取られた時も
真司郎くんは、俺じゃダメかって言ってくれたけど
でも、どんなに嫌われてもやっぱり私は
西島さんが好きー…」
言い終わる前に西島さんに力強く抱きしめられた。
西「ねぇ、本気で言ってる?」
久しぶりに感じる西島さんの匂いと体温。
「本気です」
西「はぁぁぁぁ、
てっきり真司郎と付き合ってると思ってた…」
「付き合ってません、」
私がそう言うとまたより一層力を込めて
私を抱きしめた。
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作者名:ma2894am | 作成日時:2021年11月3日 22時