異世界姫と異世界王子 (ページ31)

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蛇の策略。ページ31

赤い顔を見られたくなくて、振り返らずにそのまま突き進んでいると、いつの間にか後ろにてつやがいなかった。

『あれ？て、てつやー？？』

ザ「やあ、A。てつやじゃなくてごめんよ」

『ザビニくん…？』

何処からともなく現れたザビニは、Aの肩に手を回し話を始める。

ザ「A、ダンスの衣装の準備はバッチリ？？」

『う、うん！みんなと踊るのが楽しみ！
ザビニくん、てつや見かけなかった？？』

ザ「え？ああ、知らないよ。それよりさ、図書室行くんでしょ？一緒にいいかな？？」

『え…？どうして図書室に行くって知ってるの…？？』

もし、魔法薬の教室の前で話しているのを聞いていて、ここまで着いてきたのなら、てつやが何処でいなくなったかわかる筈だ。

ザ「ちっ…めんどくせぇな。早く行こーぜ」

『ねぇ、なにか知ってるんじゃない？』

すると、後ろからドタバタと見知った顔が近づいてきた。

ネ「あ、A…！」

『ネビル、どうしたの！？そんな傷だらけで…』

ネビルがひそひそとAに耳打ちした。

ネ「てつやが、スリザリンの奴らに連れてかれた！太刀打ちしようとおもったんだけど…ごめん…やられちゃった…」

『戦ってくれてありがとうネビル…大丈夫、あとはなんとかする。それより医務室へ行って。ね？』

ネビルはこくりと頷くと、無理しないでねとだけ言って去っていった。

『さて、ザビニくん、てつやがスリザリン生に連れ去られて、ネビルもあんな目にあったようなんだけど何か言いたいことは？？どうせ貴方が仕組んだんでしょ？』

ザビニは微塵も慌てる様子はない。

ザ「くく、強気な女は嫌いじゃねぇよ…。あいつは気に食わないから、ちょっと静かにしててもらおうと思ってね…。Aの隣にはいつもあいつがいる、二人きりで話したかったんだよ、A…
」

『ご生憎様。私は貴方と二人きりで話したくもないし、ダンスも踊らない…さよなら』

ザ「A…！いいのかよ、そんなこと言って、あいつがどうなっても知らねーぞ？」

『そんなの、どうにかなる前に私が助け出す』

Aはとにかくハリーの元へと走った。ハリーなら忍びの地図を持っているから、てつやの場所がすぐわかる！ハリーたちは寮へ戻ると言っていたから急いで寮に戻らなきゃ。

ーーーーヒーローヒロイン。