不思議な思いつき。 ページ4
て「そうね…でも…」
『てつやさん、あれ、唱えて下さい』
て「え？」
『あれ、ですよ！明かりを灯す呪文！』
て「…！？る、ルーモス？」
すると、天井のライトが一気に点いた
ここはまさに魔法空間だったのだ、体育館の床と天井だけが何処までも続いている奇妙な空間。壁なんてどこにも無い
て「嘘…でしょ？？」
『私…思い出しました…昨日、演劇部で最後まで一人で残って体育館のステージで練習をしてたんです、他の部も帰って、ひとりになってしまいました。気づいたらもう外は暗くなっていてそろそろ帰らなきゃと、思って荷物をまとめてたんです。そしたら閉めたはずのステージのカーテンの向こうから光が漏れているんです、ステージに窓はないし、月明かりが差し込むはずもないので不思議に思ってそっと開けてみました…そこには見たこともないくらい美しい光が渦を巻いていて、おもわず触れてみたくなったんです、そして気づいたら此処にいました』
て「あ、あの…奇妙がさらに続くんだけど、さ…
俺も、昨日、体育館で一人で、バスケのシュート練習してたの、Aちゃんと同じく回りに人が誰もいなくなって、外は真っ暗で、帰ろうとしたけ。ボールを戻そうと用具室に行ったらさ、扉の隙間から光が漏れてるから、電気つけっぱなしだったのかなと思って、普通に開けたわけ、そしたらAちゃんが言ってたみたいな光の渦があって、俺も触ってみたくなって、気づいたら此処に…」
こんなことがあっていいのだろうか。
『なんというか…運命的ですね…』
て「すごいね…でもなんでルーモスでつくと思ったの…？」
『もし本当にてつやさんの言う魔法のテントだったら、魔法が使えるんじゃないかって…そしたら本当についたので私がびっくりしています』
て「その発想はすごい」
呑気に魔法の凄さを感じている場合ではない、此処から抜け出さなければいけないのだ
『それなら、姿くらましも、姿あらわしも出来るんですかね？』
て「…それってすごく危険じゃない？」
『試してみる価値はあります』
て「解った…じゃあ俺がやる。場所のイメージをよく思い出して、と…」
しっかり掴まってて！と差し出された腕に捕まると、ぎゅっと身を寄せた。
そして、私たちは謎の空間から姿を消した
ーーー君とトリップ。
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作者名：MAI(._.) | 作成日時：2019年7月7日 21時
